運送会社が、配送車が回る順序を強化学習によって改善するAIを導入する。 このAIに学習させる進め方として最も適切なものはどれか。
正解:ア
ア回る順序を実際に試させ、所要時間が短いほど高い評価を返して繰り返させる。
正解。強化学習は、選んだ行動の結果に良し悪しの評価を返し、評価が高く なる選び方を試行の繰り返しの中から学ばせる方法です。何を良しとするかの 基準を人が決める点が、この使い方の要になります。
イ過去の配送記録に日ごとの最適な順序という正解を付け、その規則を学ばせる。
誤り。これは教師あり学習の進め方です。正解を付けたデータから規則を学び ますが、そもそも最適な順序が分かっていればAIに探させる必要がありません。 正解を示せない問題を扱えるのが強化学習の利点です。
ウ正解を与えずに、配送先を場所の近いものどうしのまとまりに分けさせる。
誤り。これは教師なし学習によるグルーピングです。地区ごとに担当を割り振る 下ごしらえには使えますが、まとまりの中をどの順序で回るとよいかまでは 決められません。分けることと、良い手順を見つけることは別です。
エ回る順序を説明する文章を、指示文を工夫して生成AIに作らせる。
誤り。これは生成AIの使い方で、指示に沿った文章を新しく作るものです。 ドライバー向けの手順書を作る場面では役立ちますが、実際に走った結果を もとに順序そのものを良くしていく仕組みではありません。
正解は教えず、点数だけを返す
自転車の乗り方は、教科書を読んでも身に付きません。こいでみて、ふらついて、 転ばずに進めた感覚を頼りに少しずつうまくなります。強化学習はこれに近く、 やってみた結果に対して良し悪しの評価を返し、評価が高くなる選び方を AI自身に探させます。
配送の例なら、AIが回る順序を一つ決めて走らせ(あるいは机上で走らせたことにして)、 所要時間が短ければ高い評価、長ければ低い評価を返します。これを何万回と 繰り返すうちに、渋滞しやすい時間帯を避ける、近い届け先をまとめて回る、 といった選び方が身に付いていきます。
人が決めるのは評価の基準
順序そのものを人が教えるわけではありません。代わりに「何を良しとするか」を 決めるのが人の仕事です。所要時間だけを評価にすると、無理な走行を選ぶ 学習結果になることもあるため、燃料や時間指定の守り具合も評価に含めるなど、 基準の置き方が成果を左右します。
| 学習の型 | AIに与えるもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 教師あり学習 | 正解付きの過去データ | 売上予測、成約予測、離反予測 |
| 教師なし学習 | 正解のないデータ | 顧客セグメンテーション、店舗クラスタリング |
| 強化学習 | 行動の結果に返す評価 | 配車ルートの最適化など、良い手順を探す場面 |
「正解を示せないが、良し悪しは測れる」という業務が強化学習の出番です。 この見分け方で問題文を読むと、三つの型を取り違えずに済みます。