ある会社では、ウイルス対策ソフトとファイアウォールを導入済みだが、 書類の持出しや私物USBメモリの利用は社員それぞれの判断に任せている。 情報セキュリティマネジメントの進め方として、最も適切なものはどれか。
正解:イ
アより高性能なセキュリティ製品に入れ替え、技術的な防御を強化することを優先する。
誤り。製品の強化は対策の一部にすぎません。 書類の持出しや離席時の画面ロックなど、人の行動に関わる領域は製品では守れません。 技術的対策と組織的・人的対策を組み合わせる必要があります。
イ守るべき情報とリスクを整理し、経営者が承認した情報セキュリティポリシーに基づいて運用する。
正解。何をどこまで守るかを組織として決め、文書にして全員に適用するのが出発点です。 基準があるから、社員の判断もぶれず、守られているかを確認できます。
ウ事故が起きた時点で、その都度必要な対策を検討し、関係する部門に個別に指示する。
誤り。事後の対応だけでは、同じ弱点が他の部門に残ったままになります。 マネジメントは、起こる前にリスクを見積もって手を打ち、 定期的に見直して改善を続ける営みです。
エ対策の内容は情報システム担当者に一任し、経営者は結果の報告だけを受けるようにする。
誤り。どこまでのリスクを受け入れるかは経営判断であり、担当者では決められません。 予算や人の配分も経営者が決めます。方針の承認と資源の提供は 経営層の役割として外せません。
道具をそろえることと、使い方を決めることは別
鍵の性能をいくら上げても、最後に出た人が施錠しなければ意味がありません。 情報セキュリティマネジメントは、道具の話ではなく、組織の決め事と運用の話です。
具体的には、守るべき情報を洗い出し、どんなリスクがあるかを見積もり、 それに見合う規則と対策を決め、社員に守らせ、 守られているかを確認して直していく。この一連の流れ全体を指します。
情報セキュリティポリシーが要になる理由
- 「何を守るのか」が決まるので、対策の過不足を判断できる
- 経営者が承認した文書なので、部門をまたいで同じ基準が通る
- 社員が迷ったときの拠りどころになり、判断のばらつきが減る
- 遵守状況を点検でき、状況の変化に合わせて見直せる
対策は技術だけでは足りません。人的対策(教育、罰則)、 物理的対策(施錠、入退室管理)、組織的対策(規程、責任者の設置)を 組み合わせて初めて成立します。
それぞれの進め方の限界
| 進め方 | 何が足りないか |
|---|---|
| ポリシーに基づく管理 | 守る対象・規則・責任が組織として定まる |
| 製品の強化だけ | 紙の書類や人の行動は守れない |
| 事故のたびの個別対応 | 同じ弱点が他部門に残ったままになる |
| 担当者への一任 | 受け入れるリスクの範囲を決められない |
試験では「まず何をすべきか」を問う形で出ます。 道具の導入より先に、方針と規則を組織として定める、と覚えておくと選べます。