AI利活用AI利活用の原則及び指針★★☆

AI導入を検討する社内会議で、「人間中心のAI社会原則」が掲げる「AI-readyな社会」 という言葉が話題になった。この言葉が指すものとして、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. AIを前提に業務や意思決定の進め方を根底から見直す、企業ごとの変革の取組

    誤り。これはAIトランスフォーメーション(AX)と呼ばれる考え方の説明で、 個々の企業が自社をどう変えるかという話です。AI-readyな社会は、一社の 取組ではなく社会全体の備えを指します。主語が企業か社会かが違います。

  2. 人材や制度、企業の仕組みの整備が進み、社会がAIの恩恵をすぐ受けられる状態

    正解。AIを導入すれば自動的に成果が出るわけではなく、使いこなす人材や それを許す制度、データが流通する仕組みが先に要るという考え方です。 社会の側の準備が整っていることを指す言葉です。

  3. 学習に使えるよう、社内に散らばったデータの形式をそろえて一か所に集めた状態

    誤り。これはAIに学習させる前のデータ整備の説明です。確かにAI-readyな 社会を支える要素の一つですが、それだけではありません。人材や制度まで 含めた社会全体の話なのか、データ基盤だけの話なのかが違います。

  4. 人が関与しなくてもAIがあらゆる判断を行えるところまで技術が成熟した状態

    誤り。これはAI-readyを「AIが独り立ちできる状態」と読み違えた例です。 この原則はむしろ判断や責任の中心に人がいるべきだという立場を取っており、 AIに全てを任せる状態を目指してはいません。

AIを使う前の「下ごしらえ」

高性能な調理器具を買っても、食材も調理台もレシピもなければ料理はできません。 AI-readyな社会という言葉は、これと同じことを社会全体について言っています。 AIという道具が手に入っただけでは足りず、それを生かす側の準備が整って初めて 恩恵を受けられる、という順序を示した言葉です。

2019年に決定された人間中心のAI社会原則の中で使われており、 AIの恩恵を享受でき、また必要なときにすぐAIを取り入れられるよう、 社会が変革されている状態を指します。

何を整えるのか

原則は、次の五つの観点から社会を見直す必要があるとしています。

  • 人(AIを理解し使いこなせる人材と、そのための教育)
  • 社会システム(AIの活用を前提とした制度や社会の仕組み)
  • 産業構造(AIを生かす事業の在り方や産業の組立て)
  • イノベーションシステム(研究開発を進め、成果を社会に出していく環境)
  • ガバナンス(これらをどう管理し、健全に保つかの在り方)

技術を導入すること自体が目的ではなく、「何のためにAIを用いるのか」に 答えられる状態をつくることが求められている、という点が要点です。

似た言葉との違い

言葉 指しているもの
AI-readyな社会 社会全体がAIの恩恵を受けられるよう整っている状態
AIトランスフォーメーション(AX) AIを前提に企業が業務や意思決定を変える取組
データ基盤の整備 学習に使えるようデータを集約し整える作業

試験では、話の主語が「社会全体」か「一つの企業」かで見分けられます。 AI-readyな社会は、国が示した原則の中で語られる社会像のほうです。

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