AI利活用AI利活用の原則及び指針★★★

金融機関が、AIを使った融資審査の運用を点検することになった。人間中心のAI社会原則が 掲げる「公平性,説明責任及び透明性の原則」に照らして確認すべき事項はどれか。

正解:

  1. 審査に使う顧客の情報を、本人が同意した範囲を超えて利用していないかを確かめる

    誤り。これはプライバシー確保の原則に関わる事項です。個人の情報が本人の 意に反して使われないことを求める考え方で、AIの判断が偏っていないかや 理由を説明できるかとは別の観点です。守る対象が情報か、判断の在り方かが違います。

  2. 外部からの攻撃を受けてもAIが誤った出力を返さないよう、対策を確かめる

    誤り。これはセキュリティ確保の原則に関わる事項です。AIが攻撃や想定外の 入力で不安定にならないことを求めるもので、正常に動いている状態で判断が 公平かどうかを問う観点とは目的が異なります。

  3. 社員がAIの得意不得意を理解して使えるよう、研修の機会があるかを確かめる

    誤り。これは教育・リテラシーの原則に関わる事項です。AIを使う人の側が 正しい知識を持つことを求めるもので、大切な取組ですが、AIが下した判断の 公平さや説明のしやすさを直接問うものではありません。

  4. 判定で不利な扱いが生じていないかを確かめ、その理由を本人に説明できるようにする

    正解。人の背景によって不当な差別を受けないこと(公平性)、結果の理由を 示せること(説明責任)、仕組みが検証できる状態にあること(透明性)の 三つをまとめて求めるのが、この原則です。

「なぜ断られたのか」に答えられるか

AIに融資の可否を判定させたとき、申込者が知りたいのは結果よりも理由です。 「AIが決めたことなので分かりません」としか言えない状態は、 この原則が避けようとしている状態そのものです。

公平性,説明責任及び透明性の原則は、名前のとおり三つの要素を束ねています。

  • 公平性:人種、性別、国籍、年齢などの背景を理由に、不当な差別を受けない
  • 説明責任:判断の結果について、責任をもって理由を示せる
  • 透明性:入力と出力を検証でき、判断の根拠が追える状態にしておく

なぜ三つが一組なのか

公平に扱われているかどうかは、外から確かめられなければ分かりません。 だから透明性がなければ公平性は保証できず、説明できなければ責任も果たせません。 学習データに過去の偏った判断が含まれていれば、AIはその偏りをそのまま学びます。 運用を始めた後も、結果に偏りが出ていないかを点検し続けることが求められます。

ほかの原則との守備範囲の違い

原則 守ろうとしているもの
公平性,説明責任及び透明性の原則 判断が偏らず、理由を示せること
プライバシー確保の原則 個人に関する情報が適正に扱われること
セキュリティ確保の原則 攻撃や誤作動に対する安全性
教育・リテラシーの原則 使う人がAIを正しく理解できること

試験では、場面が「情報の扱い」「安全性」「人の理解」「判断の中身」の どれを問題にしているかで、対応する原則を選び分けられます。

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