経営戦略・デジタル戦略情報システム戦略★★☆

A社はシステム化計画の立案にあたり、来店客がスマートフォンアプリで商品を探し、 店員とチャットで相談できる仕組みを構想した。利用者の反応を見ながら短い周期で 作り替えていく方針である。この仕組みの位置付けを表す言葉はどれか。

正解:

  1. SoR

    誤り。会計や受発注、人事など、取引や事実を正確に記録し長く安定して使う システムを指します。要件が固まりやすく作り替えの頻度は低いので、 反応を見ながら短い周期で変えていく仕組みとは性格が逆です。

  2. SoE

    正解。顧客との接点をつくり、関係を深めることを目的としたシステムです。 利用者の反応が価値を決めるため、小さく作って短い周期で作り替える 進め方と組み合わせて計画されます。

  3. SoI

    誤り。蓄積されたデータを分析して、気付きや洞察を得ることを目的とした システムです。BIツールなどが代表例で、集めたデータを読み解く側にあります。 A社の構想は分析ではなく、客と店員をつなぐ接点そのものです。

  4. レガシーシステム

    誤り。長年の改修で複雑化し、技術も古くなって保守や連携が難しくなった 既存システムを指す言葉です。作られた時期や保守性による呼び方であり、 システムの目的による分類ではないため、分ける軸が違います。

システムを「目的」で三つに分ける

システム化計画では、これから作るものがどういう性格のシステムなのかを最初に見定めます。 性格が違えば、求める品質も、作り方も、かける期間も変わるからです。 その分け方としてよく使われるのが、SoR・SoE・SoI の三つです。

  • SoR(Systems of Record) — 記録するためのシステム。会計、受発注、在庫、人事。 間違いなく残すことが第一で、正確性と安定稼働が命
  • SoE(Systems of Engagement) — つながるためのシステム。アプリ、チャット、SNS連携。 使う人の反応が価値を決めるので、素早く直せることが命
  • SoI(Systems of Insight) — 気付きを得るためのシステム。BI、データ分析基盤。 SoR と SoE がためたデータを読み解く

なぜ分けるのか

同じ会社の中でも、SoR に求めるのは「止まらない・間違えない」であり、 SoE に求めるのは「早く出して早く直せる」です。ここを区別せずに全部を同じやり方で 作ると、基幹業務が不安定になるか、顧客向けアプリが遅すぎて使われないかの どちらかになります。分けておくことが、開発の進め方を選ぶ根拠になります。

混同しやすいものとの違い

言葉 目的
SoR 記録する 会計、受発注
SoE つながる アプリ、チャット
SoI 気付きを得る BI、データ分析
レガシーシステム (目的でなく状態を指す) 古く複雑化した既存システム

試験では、問題文に「顧客」「接点」「反応を見ながら」があれば SoE、 「正確に記録」「基幹」なら SoR、「分析」「傾向」なら SoI と読み分けます。

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