経営戦略・デジタル戦略エンタープライズアーキテクチャ★☆☆

B市は、窓口業務と情報システムを全体最適の観点から見直すため、 EA(エンタープライズアーキテクチャ)に取り組むことにした。 EAにおけるTo-beモデルの説明として、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 現在の業務とシステムの構成をありのままに整理し、重複や非効率の所在を示したモデル

    誤り。これはAs-isモデル、つまり現状モデルの説明です。To-beモデルと対になる もので、EAでは先にAs-isを描いてから理想像を描きます。順序が逆にならないよう、 As-isが「今」、To-beが「これから」と押さえます。

  2. 業務、データ、アプリケーション、技術の四つの体系で組織全体を記述する枠組み

    誤り。これはEAそのものの説明です。EAはこの四つの層で組織を体系的に描く 考え方であり、As-isモデルとTo-beモデルは、その各層をいつの時点で 描いたものかを表す言葉です。枠組みと、その中で描く図の区別が要点です。

  3. 業務の流れや組織そのものを根本から見直し、抜本的に作り直す取り組み

    誤り。これはBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)です。目的が 近いので混同しますが、BPRは業務を作り直す活動そのものを指し、 To-beモデルはその目標地点を描いた図にあたります。

  4. 目指すべき業務とシステムの姿を描き、現状との差から改善の方向を示すモデル

    正解。To-beモデルは、あるべき姿を表した理想モデルです。As-isモデルと 並べて差分を見ることで、何をどう変えれば全体最適に近づくのかが 具体的な課題として浮かび上がります。

現在地と目的地、そして道順

引っ越し先を決めるとき、いきなり荷造りは始めません。 今の住まいの間取りと荷物を把握し(現在地)、どんな暮らしをしたいかを描き(目的地)、 その差から何を捨てて何を買うかを決めます。 EAが As-is と To-be を必ず対で描くのは、これと同じ理由です。

EAの進め方

  1. As-isモデル(現状モデル)— 今の業務とシステムをそのまま書き出す。 ここで初めて、部門ごとの重複や手作業のつなぎが見える形になる
  2. To-beモデル(理想モデル)— 全体最適の観点から、あるべき姿を描く
  3. 次期モデル — 予算や期間の制約を踏まえ、現実に到達できる姿と移行計画をまとめる

To-beだけを描いても絵に描いた餅で終わり、As-isだけを描いても改善の方向が出ません。 差分こそが取り組むべき課題になる、という点がEAの核心です。

四つの体系

EAは組織を四つの層に分けて記述します。層ごとに As-is と To-be を描きます。

体系 描くもの
ビジネスアーキテクチャ 業務プロセスや組織の役割
データアーキテクチャ 業務で扱う情報とその関係
アプリケーションアーキテクチャ 情報システムの構成
テクノロジアーキテクチャ 基盤となる機器やネットワーク

試験では「現状」「ありのまま」とあれば As-is、「あるべき姿」「目標」とあれば To-be と読み分けます。EAはもともと行政機関の業務・システム最適化で広まった考え方です。

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