通信販売会社が、10年以上前の取引データを含む大量のデータを保管し続けており、 保管費用の増加と、漏えいしたときの影響の大きさが課題になっている。 データライフサイクルの考え方に沿った対応として、最も適切なものはどれか。
正解:エ
ア保管費用の安い媒体にデータを移し、すべてのデータを期限を定めずに保管する。
誤り。保管の段階だけを安く済ませる対応です。費用は下がりますが、持ち続けている 限り漏えいしたときの影響は変わりません。ライフサイクルには廃棄の段階が 含まれており、期限を決めないのはその段階が抜けた状態です。
イ分析に使うデータだけをサーバに残し、それ以外は担当者の端末に分けて保存する。
誤り。保管場所を分散させると、どこに何があるかを組織として把握できなくなります。 端末での保存は紛失や持ち出しの危険も増えるため、漏えいの影響という課題を かえって悪化させます。データを減らしたことにもなっていません。
ウ保管しているデータを暗号化し、参照できる担当者を限定する。
誤り。保管の段階で行う情報セキュリティ対策としては正しい内容です。しかし 増え続けるデータそのものは減らないため、保管費用の課題は残ります。 不要になったデータは持たない、という段階の考え方が抜けています。
エデータの種類ごとに保存する期間を定め、期間を過ぎたデータを手順に従って廃棄する。
正解。データライフサイクルは廃棄までを一連の段階として扱います。保存期間を あらかじめ決めておけば、費用も、漏えいしたときに失うものも同時に減らせます。 法令や業務で保存が必要な期間は残す、という線引きも同じ枠組みで決められます。
持っているだけで、費用と危険が積み上がる
データは置いておくだけならタダのように見えますが、実際には保管する場所の費用が かかり続けます。それ以上に重いのが、漏えいしたときに失うものです。10年前の 取引データが流出すれば、10年前の顧客にまで影響が及びます。 持っていなければ、漏れようがありません。
データライフサイクルの5つの段階
| 段階 | 何をするか |
|---|---|
| 生成 | 業務やセンサ、外部からデータを取得・作成する |
| 保管 | 保存先や保存形式を決めて蓄える |
| 処理 | 集計・加工し、分析に使える形に整える |
| 活用 | 意思決定や業務、サービスに役立てる |
| 廃棄 | 不要になったデータを確実に消去する |
廃棄が段階に含まれていることが要点です。生成から活用までは誰でも意識しますが、 廃棄は決めておかないと誰もやりません。結果として「念のため残す」データが 積み上がっていきます。
どう決めるか
- データの種類ごとに保存期間を定める(法令で保存が義務づけられているものは、その期間を守る)
- 期間を過ぎたら、復元できない方法で消去する手順を決めておく
- 消去した記録を残し、確かに廃棄したことを説明できるようにする
段階の名前を順に暗記するだけでは足りません。試験では、増え続けるデータや 使われなくなったデータをどう扱うかという場面で問われます。 「不要になったら廃棄まで含めて設計する」が答えの軸になります。