問題 10★☆☆

社内で使う経費精算システムを作り直すことになり、企画チームはまず ユーザーニーズ調査を行うことにした。この調査の目的として、 最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア競合他社が提供する同種の製品の機能を一覧にし、自社が備えていない機能を洗い出す。

    誤り。これは競合他社との機能比較の説明です。他社に無い機能が分かっても、 自社の社員がその機能を必要としているとは限りません。 調べる相手が他社の製品か、自分たちのシステムの利用者かが分かれ目です。

  2. イ開発チームの経験をもとに、あると便利だと考える機能を挙げて優先順位を決める。

    誤り。作り手の側の見立てで作るものを決める進め方です。ユーザーニーズ調査は、 まさにこの思い込みで作ってしまうことを避けるために行います。 判断のよりどころが作り手の経験か、利用者から得た事実かが違います。

  3. ウ完成したシステムが決めた仕様どおりに動くかを、利用部門が確かめる。

    誤り。これは受入テストの説明です。利用者が関わる点は似ていますが、 確かめるのは「決めた仕様どおりか」であって、その仕様が正しかったかではありません。 作り終えた後の工程で、作る前に行う調査とは段階が違います。

  4. エ利用者が現在の業務で何に困り何を求めているかを調べ、作るべきものを見極める。

    正解。ユーザーニーズ調査は、作るものを決める前に利用者の困りごとと要望を つかむ活動です。「使う人が必要としているもの」を確かめてから作ることで、 誰も使わない機能に費用をかけずに済みます。

理解を深めるために

「良いと思うもの」と「必要とされているもの」は別物

経費精算システムを作り直すとき、開発チームはつい 「入力画面をきれいにしよう」「便利な集計機能を付けよう」と考えます。 ところが社員に聞いてみると、困っているのは入力画面ではなく 「領収書を撮った後、承認が誰で止まっているのか分からない」ことだった。

作り手が良いと思うものと、使う人が必要としているものはずれる。 このずれを作る前に見つけるのがユーザーニーズ調査です。

何を調べる活動なのか

ユーザーニーズ調査は特定の一手法の名前ではなく、 利用者が何に困り何を求めているかを調べる活動の総称です。

  • 今の業務をどう進めていて、どこで手が止まっているのか
  • 回避のために自分で編み出した手順(紙の控え、別表での二重管理)はあるか
  • 本人が「不便」と言わなくても、余計な手間を掛けていないか

聞き取り、アンケート、現場での観察など複数の方法を組み合わせて進めます。

作る前か、作った後か

活動 何のために行うか
ユーザーニーズ調査 作る前に、利用者の困りごとと要望をつかむ
競合製品の機能比較 他社製品と自社製品の機能の差を知る
受入テスト 作った後に、決めた仕様どおり動くかを確かめる

試験では「作るものを決める前に、利用者から事実を集める」という向きが問われます。 判断のよりどころが作り手の経験や他社製品になっている選択肢は、 ユーザーニーズ調査の説明にはなりません。

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