ガバナンス・監査監査★★☆

A社は、稼働を始めた販売管理システムについて、業務の目的に合っているか、 データの誤りや障害に備えた仕組みが有効に働いているかを、独立した立場の監査人に 点検してもらうことにした。この監査に該当するものはどれか。

正解:

  1. 会計監査。財務諸表が財政状態や経営成績を適正に表しているかを確かめる。

    誤り。会計監査が見るのは決算の数値です。販売管理システムが扱う売上データは 会計の数値のもとになりますが、会計監査の関心は最終的な財務諸表が適正かどうか。 システムそのものの作りや運用の良し悪しを評価する監査ではありません。

  2. 業務監査。各部門の業務が規程や経営方針のとおりに行われているかを確かめる。

    誤り。業務監査の対象は、販売や購買といった業務活動そのものです。 同じ販売の現場を見ていても、手順どおりに仕事をしているかを見るのが業務監査、 その仕事を支える情報システムを見るのがシステム監査です。

  3. システム監査。情報システムが目的に合い、有効かつ効率的かを確かめる。

    正解。システム監査は、情報システムが経営や業務の目的に合っているか、 信頼性・安全性・効率性が保たれているかを、独立した立場から点検し、 問題があれば改善を提案します。設問の関心はまさにこの範囲です。

  4. 情報セキュリティ監査。情報資産を守る対策が基準に適合しているかを確かめる。

    誤り。範囲がシステム監査より狭く、情報漏えいや不正アクセスへの対策に絞られます。 設問は業務の目的に合っているかまで含めて点検するので、 安全性だけでなく有効性・効率性も対象とするシステム監査が当てはまります。

監査は「何を見るか」で名前が変わる

前提として、監査はどれも「独立した立場の人が、対象を評価して意見を述べる」 という同じ形をしています。違うのは対象だけです。 病院にたとえるなら、内科・眼科・歯科の違いに近く、診るという行為は同じで 診る場所が違う、という関係になります。

4つの監査の守備範囲

監査 主に見るもの
会計監査 財務諸表が適正に作られているか
業務監査 業務が規程や経営方針のとおり行われているか
システム監査 情報システムの目的適合性・信頼性・安全性・効率性
情報セキュリティ監査 情報資産を守る対策が基準に適合しているか

システム監査と情報セキュリティ監査の線引き

この2つが最も紛らわしいところです。関係は「広い・狭い」で考えると整理できます。

  • システム監査は、システムが役に立っているかまで含めて見る。 使いにくい、業務に合っていない、無駄な処理が多い、といった点も指摘の対象
  • 情報セキュリティ監査は、守れているかに絞って見る。 アクセス権の設定、持ち出しの制限、事故時の対応手順などが中心

システム監査も安全性を見ますが、それは複数ある観点の一つです。 設問に「目的に合っているか」「有効に働いているか」と出てきたらシステム監査、 「情報漏えい」「不正アクセス」「セキュリティ対策」に話が集中していれば 情報セキュリティ監査と判断します。

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