システム監査人が、監査計画に基づいて監査を始めるにあたり、監査対象部門の業務内容や システムの構成を、規程類や既存の資料から把握した。この作業が当たる段階はどれか。
正解:ア
ア予備調査であり、対象の全体像をつかんで本調査の進め方を具体化する段階。
正解。いきなり細かく調べ始めても、どこに問題が潜んでいるか見当がつきません。 まず規程や資料、担当者への説明依頼から対象の概要をつかみ、 本調査で何をどこまで確かめるかを固めます。これが予備調査です。
イ本調査であり、現場での確認や資料の突合によって監査証拠を集める段階。
誤り。本調査は予備調査の次に来ます。予備調査で立てた見当に沿って、 実際の操作画面や記録を確かめ、監査証拠を集めて評価する段階です。 設問はまだ全体像を把握している段階なので、本調査には入っていません。
ウ監査報告であり、監査の結論と改善提案をまとめて依頼者に伝える段階。
誤り。監査報告は調査がすべて終わった後の段階です。集めた監査証拠に基づく 結論と改善提案を監査報告書にまとめ、監査を依頼した経営者などに提出します。 設問の作業は、まだ証拠を集める前の準備にあたります。
エフォローアップであり、改善提案が実施されているかを確認する段階。
誤り。フォローアップは監査報告書を出した後の段階です。提案した改善が 実際に行われているかを確認し、必要なら改善を促します。 報告して終わりにしないための仕上げであり、監査の入口の作業ではありません。
監査は下見から始まる
システム監査は、家の点検にたとえると分かりやすくなります。 いきなり床下に潜るのではなく、まず図面と築年数を見て、 どこを重点的に見るか当たりを付ける。この下見が予備調査です。
対象の業務やシステムを何も知らないまま調べ始めると、時間ばかりかかって 肝心なところを見落とします。予備調査で全体像をつかむからこそ、 本調査で確かめるべき点を絞り込めます。
4つの段階と、それぞれの成果
| 段階 | やること |
|---|---|
| 予備調査 | 規程・資料の閲覧や説明の聴取で概要を把握し、本調査の計画を固める |
| 本調査 | 現場での確認や記録の突合で監査証拠を集め、評価する |
| 監査報告 | 結論と改善提案を監査報告書にまとめ、依頼者に提出する |
| フォローアップ | 改善提案が実施されているかを確認し、必要に応じて改善を促す |
この順序は入れ替わりません。監査計画の作成が先にあり、 そこから予備調査、本調査、監査報告、フォローアップと進みます。
監査証拠は対象部門から出してもらう
本調査で扱う監査証拠は、監査人が勝手に作れるものではありません。 操作ログ、承認記録、設定資料といった裏付けを、監査対象部門が提供します。 監査人は集めた証拠に基づいて評価するので、証拠が出てこなければ結論も出せません。
そしてフォローアップまでが監査の範囲です。報告書を出した時点で終わりにすると、 指摘が放置されても誰も気づかない。改善されて初めて監査に意味が生まれます。