企業が従業員のマイナンバー(個人番号)を取り扱う場面について、マイナンバー法に照らして 最も適切なものはどれか。
正解:ウ
ア社内システムで従業員を識別する番号として、社員番号の代わりに利用する。
誤り。マイナンバーを使ってよい事務は法律で限定されており、社内の従業員管理は そこに含まれません。全員に一つずつ配られた番号なので便利に見えますが、分野を またいで名寄せされる危険を避けるため、汎用の背番号として使うことは禁じられています。
イ従業員本人の同意を得れば、法律で定められた事務以外の目的にも利用できる。
誤り。マイナンバーは本人の同意があっても、法律で定められた事務以外には利用でき ません。通常の個人情報なら本人の同意で目的外利用が認められる場合がありますが、 マイナンバーはその例外を認めていない点が厳格です。
ウ給与の源泉徴収票や健康保険・厚生年金の届出書類に記載するため、提供を受ける。
正解。税と社会保障の手続はマイナンバーの利用が法律で認められた代表例です。 企業は従業員本人と扶養親族の番号を集め、書類に記載して行政機関へ提出します。
エ氏名や住所と同じ一般の個人情報なので、個人情報保護法だけが適用される。
誤り。マイナンバーを含む個人情報は特定個人情報と呼ばれ、個人情報保護法に加えて 特別法であるマイナンバー法の上乗せ規制を受けます。収集・保管や提供が原則として 禁止され、必要がなくなれば廃棄しなければならない点が、通常の個人情報と違います。
使い道が法律で決め打ちされている番号
マイナンバー(個人番号)は、住民票のあるすべての人に一つずつ割り当てられる12桁の番号です。 便利そうに見えますが、法律で定められた事務にしか使えません。社会保障・税・災害対策が その中心で、2024年からは国家資格の手続など対象が広がりましたが、使ってよい事務を法律で 一つずつ定める形は変わっていません。誰にでも同じ番号が付いているからこそ、あちこちで使えば 個人の情報が芋づる式につながってしまうためです。一つの鍵であらゆる扉が開かないよう、 使える扉を法律で絞っていると考えると分かりやすくなります。
企業が扱うのはどんな場面か
民間企業がマイナンバーを扱うのは、従業員や取引先に代わって行政手続を行うときに限られます。
- 給与所得の源泉徴収票、支払調書の作成
- 健康保険・厚生年金保険・雇用保険の資格取得届などの提出
このため企業は、従業員本人や扶養親族の番号を集めるときに本人確認を行い、担当者以外が 見られないように保管し、法定の保存期間が過ぎて必要がなくなれば廃棄する義務を負います。 本人が「使ってよい」と言っても、法定の事務以外に使うことはできません。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 中身 |
|---|---|
| マイナンバー(個人番号) | 住民票を有する人に付番される12桁の番号そのもの |
| マイナンバーカード(個人番号カード) | 番号や顔写真を記載したICカード。申請により交付される |
| 特定個人情報 | マイナンバーを含む個人情報。マイナンバー法の上乗せ規制を受ける |
試験では「番号」と「カード」の取り違え、そして本人の同意があれば自由に使えるという 誤解が狙われます。利用できる事務は法律で限定されている、と押さえてください。