プロジェクトマネジメントプロジェクトマネジメント★★★

複数のプロジェクトを並行して進める企業で、進め方や報告の様式がプロジェクトごとに ばらばらで、経営層が全体の状況をつかめずにいる。この企業がPMOを設置するとき、 PMOが担う役割として最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 各プロジェクトの費用を負担し、投資を続けるかどうかを判断する。

    誤り。これは資金を出すスポンサー(発注元)の立場です。PMOは情報を集めて 判断材料を整える側であって、投資の可否そのものを決める権限をもつわけでは ありません。お金の出し手か、運営の支え手かが違います。

  2. 個々のプロジェクトの責任者として、日々の作業を指示し進捗を判断する。

    誤り。これはプロジェクトマネージャの役割です。PMOはプロジェクトマネージャの 上位者ではなく、プロジェクトの外から支える立場なので、個々のプロジェクトの 日々の指示や判断を代わりに行うことはありません。

  3. プロジェクトに共通する手順や様式を整え、複数のプロジェクトを横断して支える。

    正解。PMOは個々のプロジェクトの外側から、組織全体のプロジェクト運営を 支援する部門です。計画書や進捗報告の様式をそろえれば、ばらばらだった状況を 同じ物差しで並べて見られるようになります。

  4. 割り当てられた作業を分担して実行し、成果物を作り上げる。

    誤り。これはプロジェクトチームの説明です。成果物を実際に作るのはチームであり、 PMOはその作業に直接加わりません。作り手を増やしても、進め方がそろっていないと いう今回の課題は解決しないことにも注意してください。

現場を仕切る人ではなく、型を配る部門

工事現場に例えると、それぞれの現場を仕切るのが現場監督(プロジェクトマネージャ) です。これに対しPMOは、全部の現場が使う安全チェック表や日報の書式を用意し、 新任の監督に研修をし、資材の融通を調整する本社側の部門にあたります。 現場に指示を出す人ではなく、現場が動きやすい型と道具を配る人です。

PMOがやること

  • プロジェクトマネジメントの手順や様式(計画書、進捗報告)を共通化する
  • 各プロジェクトの情報を集約し、経営層やステークホルダへの報告を支える
  • 研修や助言によって、プロジェクトマネージャを育て、支援する
  • プロジェクト間で要員や費用の取り合いが起きたときに調整する

様式がそろっていることが効きます。同じ書式で報告が上がれば、進み具合の比較も、 どのプロジェクトが危ないかの発見もできます。ばらばらのままでは、 一つ一つ読み解かないと全体像が見えません。

役割の混同に注意

立場 何をするか
PMO 手順の標準化と情報の集約。プロジェクトを横断して支援する
プロジェクトマネージャ 個々のプロジェクトの責任者。計画し、指示し、判断する
プロジェクトチーム 作業を分担し、成果物を実際に作る
スポンサー 資金を出し、プロジェクトの実施可否を判断する

「PMOがプロジェクトマネージャに代わって指示を出す」という選択肢が出たら誤りです。 PMOは支援と標準化が軸であり、指揮命令の系統の上に立つ組織ではありません。

プロジェクトマネジメントの一覧へ戻る