プロジェクトマネジメントプロジェクトマネジメント★★★

販売管理システムを刷新するプロジェクトで、テスト工程の遅れにより 完了予定日に間に合わない見込みとなった。プロジェクトマネージャの対応として、 最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 遅れの回復は担当者の努力に委ね、全体の日程は当初のまま関係者へ報告する。

    誤り。実態と違う報告は、関係者が手を打つ機会を奪います。プロジェクト マネージャは日程に責任を負う立場なので、悪い情報ほど早く伝える必要が あります。担当者に任せてよいのは作業であって、日程の判断ではありません。

  2. 遅れの原因と影響を確かめ、調整案をまとめてステークホルダと方針を決める。

    正解。プロジェクトマネージャの仕事は、自ら作業を増やすことではなく、 状況を把握して選択肢を用意し、決めることです。日程・要員・範囲の どれを動かすかは影響が大きいため、関係者と合意したうえで進めます。

  3. 自らテスト作業に加わって遅れを取り戻すことを優先し、他の把握は中断する。

    誤り。人手が足りない場面で手伝いたくなりますが、全体を見る人がいなく なると、別の工程の遅れや関係者への連絡が止まります。プロジェクト マネージャは作り手ではなく、全体を統制する役割だと切り分けます。

  4. 作業範囲を減らすかどうかは技術の問題なので、開発リーダーだけで決める。

    誤り。範囲(スコープ)を削れば、利用者が使えるはずだった機能が なくなります。これは技術ではなく、プロジェクトの目的に関わる判断です。 決めるのはプロジェクトマネージャで、必要に応じて発注元の承認を得ます。

一番速く走る人ではなく、進路を決める人

駅伝でいえば、プロジェクトマネージャは監督にあたります。監督が自分で走り 出してしまえば、区間の配分も給水の指示も止まります。遅れが出たときに すべきことは、状況を把握し、残りの区間をどう走るかを決めることです。

遅れが見えたときの順序

  1. 事実を確かめる — どの作業が、どれだけ、なぜ遅れているのか
  2. 影響を見積もる — 後続の作業と完了予定日にどこまで響くのか
  3. 選択肢を用意する — 要員を足す、順序を変える、範囲を見直す、日程を延ばす
  4. 合意して決める — 費用や納期に関わる変更は、発注元の承認を得る

どの選択肢にも代償があります。要員を足せば費用が増え、範囲を削れば使える 機能が減ります。そのため「勝手に決めない」ことと「決めずに先送りしない」 ことの両方が求められます。判断の責任を負うのがこの役割です。

誰が何に責任をもつか

立場 責任の範囲
プロジェクトマネージャ 計画から完了までの全体。資源の調整と日々の意思決定
プロジェクトチーム 割り当てられた作業の遂行と、状況の報告
ステークホルダ 費用や納期など、前提に関わる変更への合意

試験では「自ら作業に加わる」「担当者に任せる」「報告を先送りする」が誤りの 定番です。事実を確かめ、案を示し、関係者と合意する。この流れを選びます。

次の問題へ