次の四つの行為は、いずれもインターネットを通じて行われた。このうち、 不正アクセス禁止法が禁じる不正アクセス行為に当たるものはどれか。
正解:エ
ア会社が誰でも閲覧できるように公開しているWebページを、社外の人が繰り返し閲覧した。
誤り。公開されたページにはアクセス制御機能による制限がかかっていません。この法律は 認証で制限された利用を守るものなので、制限のない情報は何度見ても対象になりません。
イ自分に貸与されたIDとパスワードでログインし、閲覧権限のある顧客情報を私的な関心から見た。
誤り。使ったのは自分に与えられた識別符号で、閲覧権限もあります。私的な閲覧は社内規程や 就業規則の違反にはなり得ますが、他人の識別符号も制限の回避もないため対象外です。
ウシステムの保守のため、アクセス管理者の承諾を得たうえで、他人のIDとパスワードでログインした。
誤り。条文は、アクセス管理者または識別符号の利用権者の承諾を得て行うものを明文で 除いています。他人のIDを使ったかどうかではなく、承諾があったかどうかで分かれます。
エ同僚から聞き出したIDとパスワードを入力し、権限のない社内システムにログインした。
正解。他人の識別符号を承諾なく入力し、アクセス制御機能で制限されていた利用ができる 状態にしています。同僚が自分から教えたとしても、アクセス管理者の承諾ではありません。
「鍵がかかっていたか」と「自分の鍵だったか」
不正アクセス行為が成立するには、少なくとも次の三つがそろっている必要があります。
- 電気通信回線(ネットワーク)を通じて行われたこと
- アクセス制御機能によって制限されている利用であること
- アクセス管理者や利用権者の承諾を得ずに、その制限を免れたこと
同僚から聞き出したIDでログインした行為は、この三つをすべて満たします。 教えてもらったからといって、その利用が認められたことにはなりません。
ほかの三つが外れる理由
- 公開ページの閲覧:誰でも見られるように置かれた情報には、制限そのものがありません
- 自分のIDでの目的外利用:使ったのは自分に貸与された識別符号です。社内規程の問題には なりますが、この法律が想定する「制限を免れる」行為ではありません
- 承諾を得た利用:保守作業などで管理者の承諾がある場合は、条文の括弧書きで対象から 外されています
判断の軸
| 場面 | 不正アクセス行為か |
|---|---|
| 他人の識別符号を承諾なく入力した | 当たる |
| 制限されていない公開情報を見た | 当たらない |
| 自分の識別符号で権限内の情報を見た | 当たらない |
| 承諾を得て他人の識別符号を使った | 当たらない |
場面問題では「制限がかかっていたか」「その制限を越える承諾があったか」を順に 確かめてください。この二つで、四つのうちどれが該当するかはほぼ決まります。