2025年に成立したサイバー対処能力強化法(正式名称は重要電子計算機に対する不正な 行為による被害の防止に関する法律)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ
ア攻撃を受けた民間企業が攻撃元のサーバに反撃することを、広く認めるものである。
誤り。「能動的サイバー防御」という言葉から民間による反撃を思い浮かべがちですが、 この法律が枠組みを整えるのは国の側の対処です。企業が独断で他人のサーバに手を 出せば、逆に不正アクセス禁止法などに触れることになります。
イ「能動的サイバー防御法」という名称が、この法律の正式名称と定められている。
誤り。能動的サイバー防御は、この法律が実現しようとする枠組みを指す政策上の 通称であって、条文に定められた法律の名称ではありません。通称と正式名称を 取り違えないよう注意してください。
ウ国の機関が重要インフラなどへの攻撃に対処する仕組みを定め、段階的に施行される。
正解。国の側の体制と権限を具体的に定める法律で、2025年に成立しました。準備に 時間がかかる規定が多いため、内容ごとに施行の時期をずらす段階施行がとられて います。
エサイバーセキュリティ基本法を廃止し、これに代わる基本法として制定された。
誤り。サイバーセキュリティ基本法は現在も存続しており、置き換えられてはいま せん。基本法が理念と戦略の土台を示し、この法律がその上で具体的な対処の仕組み を定めるという、積み重なる関係にあります。
主語が「国」の法律
サイバー対処能力強化法は2025年5月に成立した新しい法律で、正式名称は 重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律です。電力・通信・ 金融などの重要インフラが止まる事態を防ぐために、国の側が備えと対処を行うための 仕組みを定めています。企業や個人の行為を禁止して罰する種類の法律ではありません。
何が定められているか
- 重要インフラを担う事業者から、国への情報の共有や報告を求める仕組み
- 政府が通信に関する情報を取得・分析し、攻撃の兆候をつかむための枠組み
- 攻撃を仕掛けてくる側のサーバなどに対して、国の機関が無害化の措置をとる根拠
これらをまとめて能動的サイバー防御と呼びますが、これは政策上の通称であって 法律の名前ではありません。また、規定ごとに準備の重さが違うため、施行は一度に ではなく段階的に進められます。2026年9月時点では、まだ全面施行には至っていません。
混同しやすいものとの違い
| 呼び方 | 位置づけ |
|---|---|
| 重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律 | 正式名称 |
| サイバー対処能力強化法 | 広く使われる通称。シラバスもこの表記 |
| 能動的サイバー防御 | 法律が実現する枠組みを指す政策上の呼び名 |
新しい法律は「名前」と「施行の時期」が問われやすい論点です。通称を法律名だと 書いてある選択肢と、もう全面的に動いていると書いてある選択肢の二つを疑って ください。