情報セキュリティマネジメントリスクマネジメント★★★

オンラインショップを運営する企業が、リスクアセスメントの結果をもとに、 預かっている個人情報についてのリスク対応を検討している。 リスク回避に該当する対応として最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 利用が少なく漏えい時の影響が大きい会員機能を廃止し、預かっていた個人情報も消去する。

    正解。リスクの原因になっている活動そのものをやめるのがリスク回避です。 会員機能をなくして個人情報を持たなくなれば、その情報が漏えいするリスクは 根本から消えます。

  2. 漏えいが起きたときの損害賠償に備えて保険に加入し、費用の負担を保険会社と分け合う。

    誤り。これはリスク共有(リスク移転)です。保険への加入や業務の外部委託によって 損害の負担を他者と分け合う対応で、リスクそのものが消えるわけではない点が 回避との違いです。

  3. 想定される損害が対策の費用を下回るため、対策をとらずにそのまま業務を続けると決める。

    誤り。これはリスク保有です。損害が小さい場合などに、リスクがあると分かった上で 受け入れる意思決定を指します。活動そのものをやめる回避とは正反対の選択に なります。

  4. 通信の暗号化と管理者アカウントの多要素認証を導入し、漏えいが起きる可能性を下げる。

    誤り。これはリスク低減(軽減)にあたります。対策を打って発生の可能性や影響を 小さくする対応ですが、会員機能は続けるため、リスクがゼロになるわけでは ありません。

やめる、分け合う、受け入れる

雨の日に自転車で出かけるかを考えるとき、選べる手はいくつかあります。出かけるのを やめる、濡れても困らないよう荷物を防水袋に入れる、事故に備えて保険に入る、 少しくらい濡れてもかまわないと割り切る。情報セキュリティのリスク対応も、 これと同じ発想の使い分けです。

それぞれの見分け方

  • リスク回避:リスクの元になる業務やサービスそのものをやめる。情報を持たない、 その仕組みを使わない、という選択
  • リスク共有:損害の負担を他者と分け合う。保険をかける(リスク移転)、 拠点やデータを分けて置く(リスク分散)などが該当する
  • リスク保有:対策をとらず、そのまま受け入れる。想定される損害が小さいときや、 対策の費用が損害を上回るときの選択

保有は「何も考えていない」ことではありません。評価したうえで「受け入れる」と 決めた場合に限って、リスク保有と呼べます。

混同しやすいものとの違い

対応 リスクの元になる活動をどうするか
リスク回避 やめる。だからリスクは残らない
リスク共有 続けるが、損害の負担を他者と分け合う
リスク保有 続けて、損害が出たら自分で引き受ける
リスク低減 続けるが、起こりにくく、影響を小さくする

試験では選択肢の動詞で見分けられます。「廃止する、使うのをやめる」なら回避、 「保険に入る、委託する」なら共有、「そのまま続けると決める」なら保有です。

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