ある企業が、情報セキュリティポリシーを「情報セキュリティ方針」「情報セキュリティ 対策基準」「実施手順」の三つの階層で整備することにした。 最上位の情報セキュリティ方針に記載する内容として最も適切なものはどれか。
正解:イ
アPCを社外へ持ち出すときの申請書の書き方と、提出先の窓口を示した手引。
誤り。これは最下位の実施手順にあたります。担当者がその場で見て作業できる 具体的な手続で、業務のやり方が変われば頻繁に書き換わります。方針とは 更新の頻度がまったく違います。
イ情報セキュリティに取り組む目的と基本的な考え方を、経営者の責任として示した宣言。
正解。方針は「なぜ取り組むのか」「経営としてどう関与するのか」を示す最上位の 文書です。個別のルールを含まないので短く、社外にも公開できる内容になります。
ウ情報資産の重要度の区分ごとに、アクセスできる範囲と保管の方法を定めたルール。
誤り。これは中間層の対策基準です。方針を実現するために「何を守るか」を 具体的な規則にしたもので、方針より詳しく、実施手順よりは手順に踏み込まない 位置づけになります。
エ従業員がSNSで会社に関する話題を投稿するときの注意点をまとめた指針。
誤り。これはソーシャルメディアガイドライン(SNS利用ポリシー)です。 情報セキュリティポリシーと並ぶ組織内規程の一つですが、対象がSNSの利用に 限られており、全社の姿勢を示す方針ではありません。
憲法、法律、マニュアル
情報セキュリティポリシーは、国のきまりに例えると分かりやすくなります。まず 「この国は何を大切にするか」を示す憲法があり、その下に守るべき法律があり、 さらに現場で使うマニュアルがある。情報セキュリティ方針が憲法、対策基準が法律、 実施手順がマニュアルにあたります。
三つの層の役割
- 情報セキュリティ方針:取り組む目的、対象範囲、経営者の関与を宣言する。 数ページ程度と短く、取引先や顧客に見せるために公開することが多い
- 情報セキュリティ対策基準:方針を実現するために守るべきルール。情報資産の 分類、アクセス権の与え方、持ち出しの可否などを定める
- 実施手順:ルールを実際にどう行うか。申請書の書き方、設定の手順など
上の層ほど変わりにくく、下の層ほど頻繁に更新されます。方針を毎年書き換えている としたら、本来は対策基準に書くべき内容が混ざっている可能性があります。
混同しやすいものとの違い
| 文書 | 書かれていること |
|---|---|
| 情報セキュリティ方針 | 取り組む目的と基本的な考え方、経営者の宣言 |
| 情報セキュリティ対策基準 | 守るべき具体的なルール(誰が何をしてよいか) |
| 実施手順 | 作業のやり方(申請書の書き方、設定の操作) |
| ソーシャルメディアガイドライン | SNSを使うときの注意点 |
試験では「経営者が」「宣言する」「公開する」という語が出てきたら方針、 「〜してはならない」という規則の形なら対策基準だと判断できます。