社内システムを提供する情報システム部門が、利用部門ごとに窓口となる担当者を定め、 四半期ごとに責任者と会合を持っている。事業がこれからどう変わるか、そのとき何が 必要になるかを聞き取り、あわせて現在のサービスへの不満も拾う。この活動はどれか。
正解:エ
アインシデント管理
誤り。サービスの中断や品質低下が起きたときに受け付け、できるだけ早く 通常の状態へ戻す活動です。同じ利用部門の声を扱っても、対象は目の前で 起きた個別の出来事で、関係を長く保つことは目的にしていません。
イサービスデスク
誤り。利用者からの問合せや依頼を受け付ける窓口です。日常的に利用部門と やり取りする点は似ていますが、担うのは個々の連絡の受付と一次対応で、 顧客の事業そのものを理解して付き合い方を決める役割ではありません。
ウサービスレベル管理
誤り。合意したサービス水準(SLA)の達成状況を測って報告し、必要なら 目標を見直す活動です。顧客と定期的に会う点は同じでも、扱うのは合意済みの 数値とその実績であって、これから何が必要になるかを一緒に描く場ではありません。
エ事業関係管理
正解。顧客の事業を理解し、要望や苦情を把握して顧客満足を保つために、 顧客との関係そのものを継続的に管理する活動です。個々の障害対応ではなく、 これからの付き合い方を扱う点が特徴です。
「担当営業」にあたる役割が、サービス提供側にもある
取引先の会社には、たいてい担当営業がいます。納品トラブルの窓口はサポート部門でも、 「来期は拠点が増えそうです」「この機能が使いにくい」といった話は担当営業が聞き取り、 関係が続くように動きます。事業関係管理は、この担当営業にあたる活動です。
なぜ復旧や報告とは別に必要なのか
- 障害対応をどれだけ速くしても、顧客が本当に困っていることは拾えない
- SLAの数値をすべて満たしていても、顧客が満足しているとは限らない
- 顧客の事業が変われば必要なサービスも変わる。先に知れば先に備えられる
そのため事業関係管理では、顧客の窓口となる担当を決め、定期的な会合、 苦情の受付と処理、顧客満足度の測定などを通じて、顧客との関係を維持・向上させます。 サービス提供者が「今のサービスを守る」だけでなく「次に何を求められるか」を つかむための活動だと考えると、位置づけがはっきりします。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を扱うか |
|---|---|
| 事業関係管理 | 顧客の事業と要望・苦情。顧客満足を保ち関係を続ける |
| サービスレベル管理 | 合意したサービス水準の達成状況の監視・報告・見直し |
| サービスデスク | 問合せや依頼を受け付ける窓口 |
| インシデント管理 | 中断や品質低下からの復旧 |
見分けるときは、話題が「合意した数値の実績」ならサービスレベル管理、 「顧客の事業の変化や不満」なら事業関係管理、と切り分けてください。