通販サイトを運営するR社では、毎年12月の売出し期間だけアクセスが平常月の 数倍になり応答が遅くなる。他の月はサーバの処理能力が余っている。サービスの 需要管理の考え方に沿った対応として、最も適切なものはどれか。
正解:イ
ア12月は遅延に関する問合せが増えるので、その期間だけ受付の要員を増やす。
誤り。これはサービスデスクの体制強化で、遅くなること自体は変わりません。 増えた問合せをさばくのはインシデント管理側の備えです。需要管理は、 問合せが起きる前に処理能力のほうを合わせにいく活動です。
イ過去の実績と販売計画から12月の利用量を見積もり、その期間だけ資源を増やす。
正解。需要管理は、いつどれだけ使われるかを予測し、その見込みに合わせて 資源を用意する活動です。繁忙期には足し、終われば戻すことで、品質と費用の どちらも犠牲にせずに済みます。
ウ12月の最も混雑する時点に合わせた台数を、一年を通じて確保したままにする。
誤り。ピークに備える点は正しく見えますが、残り11か月は使わない資源に 費用を払い続けることになります。需要管理が目指すのは「不足させない」だけで なく「余らせない」ことでもあり、過不足の両方を減らすのが狙いです。
エ遅延が起きてから原因を調べ、恒久的な対策が決まるまで売出しを縮小する。
誤り。原因を調べて取り除くのは問題管理の役割です。しかも需要が読めている 場面で事業の機会を縮めるのは本末転倒で、需要管理は事業の計画に合わせて 資源側を動かすための活動です。
レジを何台開けるかを先に決める
スーパーは、夕方の混雑に合わせてレジを増やし、昼過ぎには閉めます。一日中 全台を開けておけば人件費がかさみ、一台しか開けなければ行列ができます。 需要管理は、この「何台開けるか」をITサービスで先に読む活動です。
予測して、合わせて、また見直す
- 過去の利用実績を見る(曜日、月末、繁忙期の山の高さ)
- 事業側の計画を聞く(売出し、新拠点の開設、利用部門の増員)
- 見込みに合わせて処理能力や要員を用意する
- 実際の利用量を監視し、次の予測の精度を上げる
事業関係管理などを通じて顧客や利用部門の予定を早く知れるほど、予測は当たります。 需要は「勝手に起きるもの」ではなく「事前に聞けるもの」だと考えるのが要点です。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何をするか |
|---|---|
| 需要管理 | 利用量を予測・監視し、資源を過不足なく用意する |
| インシデント管理 | 実際に起きた遅延や停止から復旧させる |
| 問題管理 | 障害の根本原因を突き止めて取り除く |
| サービスデスク | 問合せを受け付けて一次対応する |
試験では「繁忙期」「利用が集中する」「資源が余っている」といった言葉が 手掛かりになります。ピークに合わせて常時確保する案は、一見手厚く見えても 需要管理としては不適切だと判断できるようにしておきましょう。