サービスマネジメントサービスマネジメント★★☆

R社は、自社でサーバを購入して動かしていた給与計算システムをやめ、事業者が 提供するクラウド型の給与計算サービスに切り替えた。サービスマネジメントで いう「サービス」の説明として、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 利用者が設備や技術を自ら持たなくても、望む成果が得られるようにする提供の形。

    正解。R社はサーバも運用の技術者も持ちませんが、給与計算という成果は 得られます。設備を持つ負担と運用のリスクを提供者側に置いたまま、利用者へ 成果だけを届けるのがサービスで、その品質を保つ活動がサービスマネジメントです。

  2. 完成した品物を引き渡した時点で代金と責任の関係が終わる、売り切りの取引の形。

    誤り。これは物品の売買の説明です。サーバを買う取引はこちらにあたります。 引き渡した後は設備も運用の責任も買い手のものになる点が、設備を提供者側に 置いたまま成果だけを届けるサービスと違います。

  3. 購入した設備の取得費用を、使用できる年数に応じて各期の費用へ配分する会計の形。

    誤り。これは減価償却の説明です。自社でサーバを買っていた頃のR社に関係する 処理で、サービスに切り替えると利用料として毎月の費用になります。費用の 計上方法の話で、サービスそのものの定義ではありません。

  4. 利用者に代わって提供者が機器の選定と購入手続きを行う、調達を代行する取引の形。

    誤り。これは調達代行の説明です。手続きは任せられますが、買った機器を持ち、 運用して品質を保つのは利用者自身です。設備を持たずに成果だけを受け取る サービスとは、資産と責任の置き場所が違います。

「ドリルではなく、穴が欲しい」

壁に穴を開けたい人が本当に欲しいのはドリルではなく穴です。ドリルを買えば保管も 手入れも自分の仕事になりますが、穴を開けてもらえば、結果だけが手に入ります。 サービスとは、この「結果だけを届ける」提供の形のことです。

モノの売買と何が違うのか

  • 設備や技術を持つのは提供者側で、利用者は成果を受け取る
  • 設備を持つ費用も、壊れたときの手当ても、提供者側の負担になる
  • したがって品質は「納品時に良かったか」ではなく「今も保てているか」で問われる

社内の情報システム部門が利用部門にシステムを提供する場合も同じ関係になります。 社外の事業者かどうかは関係ありません。だからこそ、稼働率や応答時間を約束し(SLA)、 問合せを受ける窓口を置き(サービスデスク)、止まったら早く戻す(インシデント管理) 必要があります。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
サービス 設備を持たない利用者へ、望む成果を届ける提供の形
物品の売買 引渡しで取引が完結する。以後の運用は買い手の責任
減価償却 購入した設備の費用を、使用年数に応じて配分する会計処理
調達代行 購入の手続きを代行する。資産と運用は利用者に残る

試験では「設備と責任を誰が持つか」で切り分けられます。なお、規格が定める 「サービス」の定義に「ずっと続くもの」という条件は入っていません。サービス マネジメントが継続を前提にした活動なのは、扱う対象が業務を支え続ける サービスだからであって、続くことがサービスの定義だからではありません。

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