社内システムを提供する情報システム部門は、SLAで定めた稼働率と応答時間を この半年すべて達成している。一方、利用部門への満足度アンケートの評点は 下がり続けている。顧客満足の観点から取るべき対応として、最も適切なものはどれか。
正解:イ
アSLAの目標値はすべて達成しているので、評点の低下は一時的なものとみなす。
誤り。SLAの達成状況と顧客満足は、測っているものが違います。数値で表せる 品質を守っていても、画面が使いにくい、依頼の返事が遅いといった不満は残ります。 約束を守ったかと、顧客がどう感じているかは別に確かめる必要があります。
イ評点が下がった理由を苦情や自由記述から調べ、改善すべき点を特定する。
正解。顧客満足は定期的に測るだけでなく、下がった理由まで掘り下げて改善に つなげて初めて意味を持ちます。点数は結果を示すだけなので、苦情の内容や 自由記述といった手掛かりから、何が不満なのかを突き止めます。
ウ稼働率の目標値を99.9%に引き上げ、SLAを結び直してから対応を考える。
誤り。不満の原因が停止時間だと確かめないまま目標値だけを上げる対応です。 効かないところに費用をかける恐れがあり、そもそもSLAは顧客との合意なので 一方的には変えられません。原因の特定が先で、目標の見直しはその後です。
エアンケートの設問を評点が上がりやすい内容に見直し、次回の調査と比べる。
誤り。測り方を変えて数字を良く見せるだけで、不満そのものは何も変わりません。 しかも設問が変われば前回までの結果と比べられなくなり、傾向の把握もできなく なります。満足度調査は改善の材料を得るために行うものです。
数値は満点、でも顧客は不満
飲食店でたとえると、注文から5分以内に料理を出すという約束を毎回守っていても、 味や接客が不評なら客足は落ちます。サービスも同じで、SLAの数値をすべて満たして いるのに満足度が下がることは珍しくありません。約束を守ったかと、顧客が どう感じているかは、別々に確かめる必要があります。
顧客満足をどう測り、測った結果をどう使うか
- 定期的なアンケート、苦情の件数と内容、窓口での聞き取りなどで継続的に測る
- 点数の上下だけを見ず、下がった理由を自由記述や苦情の中身から掘り下げる
- 分かった原因を改善につなげ、次の調査で効果が出たかを確かめる
測って報告するだけで終わると、数字を集める手間に見合う成果が出ません。 逆に、測らずに「苦情が来ていないから大丈夫」と考えると、黙って離れていく 利用者の不満に気づけません。
混同しやすいものとの違い
| 見るもの | 何が分かるか |
|---|---|
| 顧客満足(アンケート・苦情) | 顧客がどう感じているか。数値に表れない不満 |
| SLAの達成状況 | 合意した水準を守れたかという、測れる事実 |
| 事業関係管理 | 顧客の事業の変化と、これから必要になるもの |
試験では、SLAを達成しているのに評価が低いという場面が手掛かりになります。 そのときは目標値をいじるのではなく、不満の中身を調べる選択肢を選んでください。