物流倉庫で、棚から商品を取り出す作業を支援したい。作業者が両手を空けたまま、 目の前の棚を実際に見ながら、視界に商品名と取り出す個数の指示を 重ねて表示させたい。最も適切な方法はどれか。
正解:イ
アVRゴーグルを使い、倉庫を再現した仮想空間の中に指示を表示する。
誤り。VRゴーグルは視界を覆い、仮想空間の映像だけを見せる機器です。 作業手順の訓練やシミュレーションには向きますが、装着すると現実の棚が 見えなくなるため、実際に商品を取り出す作業には使えません。
イARグラスを使い、現実の棚を見たまま視界に指示を重ねて表示する。
正解。AR(拡張現実)は現実の風景に情報を重ねる技術です。眼鏡型のARグラスなら 現実の棚を見たまま、両手を空けて指示を受け取れます。
ウMRグラスを使い、仮想の操作パネルを空間に置いて手で操作させる。
誤り。MRグラスは現実の空間と仮想の物体を融合させ、置いた仮想物体を手で 操作できるようにする機器です。現実に重ねる点はARと同じですが、 今回は指示が見えれば足り、仮想物体を操作する必要はありません。
エスマートスピーカーを棚に置き、音声で商品名と個数を読み上げる。
誤り。スマートスピーカーは音声で指示を受け、音声で応答する据置き型の機器です。 両手は空きますが、作業者について回れず、棚のどの位置かという情報は 音声だけでは伝えにくくなります。
現実が見えるかどうかで分かれる
眼鏡型・ゴーグル型の機器は見た目が似ていますが、 「現実がどれだけ見えるか」で役割がはっきり分かれます。
- AR(拡張現実): 現実がそのまま見える。その上に文字や矢印を重ねる
- VR(仮想現実): 現実は見えない。すべてが作られた映像
- MR(複合現実): 現実が見え、置いた仮想の物体と手で触れ合える
倉庫のピッキングのように、現実の物を扱いながら情報も見たい作業では、 現実が見えなくなるVRは選べません。ここが判断の分かれ目です。
身に着ける機器(ウェアラブルコンピュータ)としての利点
ARグラスは身に着けて使うため、手にも机にも縛られません。
- 両手が空くので、そのまま商品や工具を扱える
- 視線の先に情報が出るので、紙の指示書と棚を見比べる往復がなくなる
- 作業者が移動しても、情報は本人について回る
同じ「手が空く」でも、スマートスピーカーは据置きで音声だけです。 場所と表現手段が違う点を押さえてください。
混同しやすいものとの違い
| 機器 | 見え方と使いどころ |
|---|---|
| ARグラス | 現実を見たまま情報を重ねる。作業支援や案内 |
| VRゴーグル | 視界を覆い仮想空間だけを見せる。訓練や体験 |
| MRグラス | 現実に置いた仮想の物体を手で操作できる |
| スマートスピーカー | 音声で操作し音声で答える据置きの機器 |
試験では「現実の物を見ながら」「両手を空けて」が手がかりです。 現実が見える必要があるならAR、没入させたいならVRと切り分けてください。