問題 1★★★

部門の会議室で、来訪者にインターネット接続を使わせたいという要望が出た。 現在の社内用の無線LANは、社内のファイルサーバと同じ社内LANにつながっている。 情報セキュリティの担当者がとる対応として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア社内用のSSIDのパスフレーズを来訪者に伝え、退出後にパスフレーズを変更する。

    誤り。退出後に変えても、滞在中の来訪者の端末は社内LANの中にいて、ファイルサーバに 届きます。パスフレーズの管理は「誰を入れるか」の話で、入った後にどこまで届くかは 変わりません。社内の全員に新しいパスフレーズを配り直す手間も毎回かかります。

  2. イ社内LANから切り離し、インターネットにだけ出られる来訪者用の無線LANを用意する。

    正解。来訪者の端末が届く範囲を最初からインターネットだけに限ります。 接続できても社内LANに経路がないので、ファイルサーバに触れられません。

  3. ウ来訪者用に別のSSIDを用意し、社内用と同じ社内LANにつないで使わせる。

    誤り。SSIDは無線LANの名前で、名前を分けても行き先が同じ社内LANなら、 来訪者の端末からファイルサーバに届きます。分けるべきなのは名前ではなく、 つながる先のネットワークです。

  4. エ来訪者の端末のMACアドレスを登録し、社内用の無線LANに接続させる。

    誤り。MACアドレスフィルタリングは、つないでよい端末を絞る仕組みです。 登録した端末は社内LANに入るので、ファイルサーバに届く点は変わりません。 MACアドレスは偽装もできるため、それ自体の効き目も限られます。

理解を深めるために

来客用の応接室を、執務室とは別に用意するのと同じ

来訪者を執務室の中に通してから「書類は見ないでください」と頼むより、 最初から別の応接室に通すほうが確実です。無線LANも同じで、 来訪者の端末を社内LANと同じネットワークに入れないことが出発点になります。

なぜ「入れる人」ではなく「つながる先」で考えるのか

無線LANの対策には、性格の違う2種類があります。

  • 入れる人・端末を絞る: パスフレーズ、MACアドレスフィルタリングなど
  • 入った後に届く範囲を限る: ネットワークを分ける(社内LANとの経路を持たせない)

来訪者には、そもそも接続を認めるのが前提です。接続を認める以上、前者はいくら固くしても 来訪者の端末が社内LANに入ることを止めません。来訪者に必要なのはインターネットだけなので、 社内LANから切り離した来訪者用のネットワークにすれば、ファイルサーバへの経路が無くなります。 多くの無線LANアクセスポイントは、SSIDごとに別のネットワークへつなぐ設定ができます。 大事なのはSSIDを分けることそのものではなく、その先を分けることです。

混同しやすいものとの違い

対応 何を変えるか 来訪者の端末からファイルサーバに届くか
来訪者用のネットワークを切り離す つながる先 届かない
社内用のパスフレーズを教えて後で変える 入れる期間 滞在中は届く
SSIDだけ分けて同じ社内LANにつなぐ 無線LANの名前 届く
MACアドレスを登録する 入れる端末 届く

試験では、来訪者や私物端末に接続を認める場面が出たら、 「接続を認めた後にどこまで届くか」を限る選択肢を探します。

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