問題 1★★★

自社のブランド名を含むドメインの新規登録やSNSの投稿など、公開情報を監視(OSINT)していたところ、 自社のログイン画面をそっくりまねたフィッシングサイトが見つかった。顧客の被害を防ぐために 担当者がとる対応として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア社内のプロキシサーバで、そのサイトのURLへのアクセスを遮断する。

    誤り。これは社内の利用者を守るURLフィルタリングの対応です。危険なサイトへの 接続を止めるという点では正しく見えますが、だまされるのは自社のプロキシを通らない 顧客です。誰の通信を止められる対策なのかで区別します。

  2. イ自社の正規サイトにWAFを導入し、不正な通信を検査して遮断する。

    誤り。WAFは自社のWebアプリケーションへの攻撃(SQLインジェクションなど)を 止める仕組みです。フィッシングサイトは攻撃者が用意した別のサーバにあり、 自社サイトへの通信は発生しません。守る場所と攻撃が起きている場所が違います。

  3. ウJPCERT/CCなどを通じて、サイトの管理者に公開の停止を依頼する。

    正解。偽サイトそのものを閉鎖させるテイクダウンです。JPCERT/CCは報告を受けると サイトの管理者に連絡して停止を依頼します。自社からホスティング事業者に直接依頼する方法もあります。

  4. エそのサイトに大量のアクセスを送り、閲覧できない状態に追い込む。

    誤り。これはDoS攻撃そのもので、相手が攻撃者でも業務妨害などの違法行為になり得ます。 同じサーバに無関係なサイトが同居していれば、その運営者にも被害が出ます。 閉鎖は管理者への依頼という正規の手続で進めます。

理解を深めるために

見つけた偽サイトは「元から断つ」

自社をかたる偽サイトは、自社の外にあります。たとえるなら、自社の看板をまねた偽の店が よその土地に建ったようなものです。自分の店の鍵を強くしても、社員に「あの店に行くな」と 言っても、だまされて入っていくお客さんは止められません。偽の店そのものを閉めてもらうのが テイクダウンです。

見つける(OSINT)と止める(テイクダウン)

脅威インテリジェンスは、攻撃の兆しや手口についての情報を集めて分析し、守りに生かす活動です。

  • OSINT: 誰でも見られる公開情報(ドメインの登録情報、SNS、ニュース、掲示板など)から 情報を集める手法です。自社名に似たドメインの登録を見張ると、偽サイトを早く見つけられます
  • テイクダウン: 見つけた偽サイトや不正なサーバを、管理者やホスティング事業者に依頼して 停止・削除してもらうことです。JPCERT/CCは、フィッシングサイトの報告を受けて サイトの管理者に停止を依頼しています

閉鎖を待つ間に、顧客へ注意を呼びかけることも並行して進めます。 見つけるだけで止めなければ被害は続き、止める手段を知っていても見つけられなければ 手遅れになります。両方がそろって初めて顧客を守れます。

混同しやすいものとの違い

対応 止められるもの この場面で顧客を守れるか
テイクダウンの依頼 偽サイトの公開そのもの 守れる
URLフィルタリング 社内からその宛先への接続 社内の利用者だけ
WAF 自社Webアプリへの攻撃 偽サイトには届かない
大量アクセスで停止させる (違法な攻撃で止めようとする) 正規の手段ではない

対策が「自社の中」で効くのか「攻撃者の設備」に効くのかで分けると、正解が絞れます。

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