正解:ウ
各選択肢の解説
ア社内のプロキシサーバで、そのサイトのURLへのアクセスを遮断する。
誤り。これは社内の利用者を守るURLフィルタリングの対応です。危険なサイトへの 接続を止めるという点では正しく見えますが、だまされるのは自社のプロキシを通らない 顧客です。誰の通信を止められる対策なのかで区別します。
イ自社の正規サイトにWAFを導入し、不正な通信を検査して遮断する。
誤り。WAFは自社のWebアプリケーションへの攻撃(SQLインジェクションなど)を 止める仕組みです。フィッシングサイトは攻撃者が用意した別のサーバにあり、 自社サイトへの通信は発生しません。守る場所と攻撃が起きている場所が違います。
ウJPCERT/CCなどを通じて、サイトの管理者に公開の停止を依頼する。
正解。偽サイトそのものを閉鎖させるテイクダウンです。JPCERT/CCは報告を受けると サイトの管理者に連絡して停止を依頼します。自社からホスティング事業者に直接依頼する方法もあります。
エそのサイトに大量のアクセスを送り、閲覧できない状態に追い込む。
誤り。これはDoS攻撃そのもので、相手が攻撃者でも業務妨害などの違法行為になり得ます。 同じサーバに無関係なサイトが同居していれば、その運営者にも被害が出ます。 閉鎖は管理者への依頼という正規の手続で進めます。
理解を深めるために
見つけた偽サイトは「元から断つ」
自社をかたる偽サイトは、自社の外にあります。たとえるなら、自社の看板をまねた偽の店が よその土地に建ったようなものです。自分の店の鍵を強くしても、社員に「あの店に行くな」と 言っても、だまされて入っていくお客さんは止められません。偽の店そのものを閉めてもらうのが テイクダウンです。
見つける(OSINT)と止める(テイクダウン)
脅威インテリジェンスは、攻撃の兆しや手口についての情報を集めて分析し、守りに生かす活動です。
- OSINT: 誰でも見られる公開情報(ドメインの登録情報、SNS、ニュース、掲示板など)から 情報を集める手法です。自社名に似たドメインの登録を見張ると、偽サイトを早く見つけられます
- テイクダウン: 見つけた偽サイトや不正なサーバを、管理者やホスティング事業者に依頼して 停止・削除してもらうことです。JPCERT/CCは、フィッシングサイトの報告を受けて サイトの管理者に停止を依頼しています
閉鎖を待つ間に、顧客へ注意を呼びかけることも並行して進めます。 見つけるだけで止めなければ被害は続き、止める手段を知っていても見つけられなければ 手遅れになります。両方がそろって初めて顧客を守れます。
混同しやすいものとの違い
| 対応 | 止められるもの | この場面で顧客を守れるか |
|---|---|---|
| テイクダウンの依頼 | 偽サイトの公開そのもの | 守れる |
| URLフィルタリング | 社内からその宛先への接続 | 社内の利用者だけ |
| WAF | 自社Webアプリへの攻撃 | 偽サイトには届かない |
| 大量アクセスで停止させる | (違法な攻撃で止めようとする) | 正規の手段ではない |
対策が「自社の中」で効くのか「攻撃者の設備」に効くのかで分けると、正解が絞れます。