問題 26★★★

基幹サーバの保守を委託している業者は、月に数回のリモート作業で特権IDを使う。 現在は特権IDのパスワードを業者に伝えたままにしており、いつ誰が使ったのか分からない。 特権IDの管理の見直しとして、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア作業ごとに承認して貸し出し、作業後はパスワードを変え、操作記録を申請と照合する。

    正解。使うときだけ承認を経て渡し、作業が終われば使えない状態に戻します。 操作記録を申請の内容と突き合わせれば、承認のない作業や申請外の操作を見つけられます。

  2. イ業者専用の特権IDを作ってパスワードを伝え、いつでも作業できる状態にしておく。

    誤り。専用のIDにすれば「誰が」は分かるようになりますが、承認なしにいつでも使える 状態は変わりません。月に数回しか使わないIDを常に使える状態にしておくと、 パスワードが漏れたときに気づけず、不正利用の機会が広がります。

  3. ウ特権IDのパスワードを長く複雑なものに変え、改めて業者に伝えておく。

    誤り。パスワードを複雑にするのは、推測や総当たりへの対策です。今回の問題は、 パスワードを知っている人が自由に使え、その使用を把握できないことです。 知っている人の範囲と使える時間は変わりません。

  4. エ業者との契約に秘密保持と不正利用の禁止を定め、IDの運用は業者に任せる。

    誤り。契約は不正を思いとどまらせる抑止と、起きたときの責任追及に役立ちます。 しかし、いつ誰が使ったかを自社で把握できない状態は残ります。契約は、 技術的な管理と組み合わせて使うものです。

理解を深めるために

合鍵を渡しっぱなしにせず、そのつど貸し出す

特権IDは、サーバの設定変更やデータの削除まで何でもできる「マスターキー」です。 業者にパスワードを伝えたままにするのは、合鍵を渡しっぱなしにしているのと同じです。 管理の基本は、必要なときだけ貸し出し、終わったら回収し、何をしたかを確かめることです。

なぜ貸出しと照合の組合せなのか

  • 申請と承認: 作業の日時・内容・作業者を事前に決め、それ以外の利用を認めない
  • 作業後のパスワード変更(または無効化): 次の承認までは、誰も使えない状態に戻す
  • 操作記録の照合: 実際の操作が申請どおりだったかを確かめる。承認のないログインや 申請外のコマンドがあれば、ここで見つかる

貸し出すだけでは、承認された時間内に何をしたかは分かりません。記録を取るだけで 照合しなければ、問題のある操作も見過ごされます。「いつ」「誰が」「何を」を そろえて押さえるには、この3つを組み合わせます。実務では、特権IDの貸出しと記録を 自動で行う特権ID管理の製品を使うこともあります。

混同しやすいものとの違い

見直し 押さえられるもの 残る問題
都度の貸出し+作業後の変更+記録の照合 いつ・誰が・何を ―
業者専用IDを常時使える状態に 誰が 承認なしにいつでも使える
パスワードの複雑化 推測・総当たりへの耐性 知っている人が自由に使える
契約による義務づけ 抑止と責任追及 自社で使用を把握できない

特権IDの問題では、「使える状態がいつまで続くか」と「使った後に確かめているか」の 2点で選択肢を比べると判断しやすくなります。

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