自動車メーカーのA社は、自社にない電池技術をもつB社と新型車を共同開発したい。 両社が独立した企業のまま契約を結び、技術と販売網を持ち寄って対等に協力する ことにした。このような企業間の関係を何というか。
正解:エ
アM&A
誤り。合併や買収によって他社の事業や経営権を自社に取り込む手法です。 相手企業は独立した存在ではなくなります。A社とB社は独立を保ったままなので、 支配関係が生じるM&Aには当たりません。
イTOB
誤り。買付けの価格・期間・株数を公告して市場外で株式を買い集める、 公開買付けのことです。M&Aで経営権を取得するための手段の一つであり、 株式の売買を伴わない共同開発の場面では使いません。
ウアウトソーシング
誤り。自社の業務の一部を、対価を払って外部の専門業者に任せることです。 任せる側と請け負う側という関係になります。互いの資源を持ち寄って 対等に取り組む今回の関係とは、力の向きが違います。
エアライアンス
正解。複数の企業が独立性を保ったまま、契約によって技術やノウハウを 持ち寄り、共通の目的のために協力する関係です。買収せずに他社の強みを 使える点が利点で、戦略的提携とも呼ばれます。
他社の力を借りる方法は、いくつもある
自社に足りない技術や販路を手に入れたいとき、選べる手はひとつではありません。 「相手を自社に取り込むか」「相手と対等に組むか」「相手に任せるか」で 名前が変わります。
- 取り込む — M&A(合併・買収)。TOBはその手段の一つ
- 対等に組む — アライアンス(戦略的提携)
- 任せる — アウトソーシング(外部委託)
取り込めば意思決定は速くなりますが、多額の資金と統合の手間がかかります。 アライアンスは資金の負担が軽く、うまくいかなければ解消もしやすい半面、 相手を思いどおりに動かすことはできません。
エコシステムとの関係
シラバスではアライアンスと並んでエコシステムも扱われます。 エコシステムは、複数の企業や利用者がゆるやかにつながって ひとつの事業環境を作り上げている状態を指す、より広い言葉です。 アライアンスは、その中で結ばれる個々の提携関係にあたります。
混同しやすいものとの違い
| 手段 | 相手との関係 |
|---|---|
| M&A | 合併・買収で経営権を取り込む |
| TOB | 株式を市場外で買い集める(M&Aの手段) |
| アライアンス | 独立を保ったまま対等に協力する |
| アウトソーシング | 対価を払って業務を任せる |
試験では「資本関係が生じるか」「対等か、委託か」を問題文から読み取ると 選び分けられます。共同開発・共同出資と書かれていればアライアンスです。