ビジネス関連法規知的財産権★★☆

自社の調査レポートに、他社のWebサイトで公表されている記事の一節をそのまま 載せたい。著作権者の許諾を得ずに著作権法上の「引用」として利用するための 扱いとして、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 引用部分をかぎ括弧で本文と区別し、自社の記述を主として出所を示す。

    正解。引用が許諾なしに認められるには、引用した部分がどこかを明瞭に区別でき、 自分の記述が主で引用が従という関係にあり、公正な慣行に従って出所を明示する、 といった条件を満たす必要があります。

  2. 記事の文章を自社の表現に書き直したうえで、出所を示さずに載せる。

    誤り。表現を書き直しても、元の記事に依拠していれば翻案として著作権が及ぶ ことがあります。「書き換えれば自由に使える」は典型的な誤解で、引用の場合は むしろ改変せずに載せ、出所を示すのが原則です。

  3. レポートの大半を記事の転載で構成し、末尾に出所をまとめて示す。

    誤り。出所を示していても、引用した部分が量や内容の面で主になっていると、 自分の記述が主・引用が従という関係が崩れます。出所さえ書けば分量は自由、 という考え方では引用の条件を満たしません。

  4. 社内の会議資料として配る場合に限り、区別も出所の表示も省く。

    誤り。許諾なしに複製できる私的使用は、個人や家庭内といった限られた範囲での 利用を指し、企業の業務で使う資料は含まれません。社外に出さないから条件が 要らない、というわけではありません。

借りるときの作法

他人が書いた文章は、公表されていても自由に使えるわけではありません。ただし、 自分の主張を補強するために他人の文章を示す必要がある場面はどうしてもあります。 そこで著作権法は、一定の作法を守ることを条件に、許諾を取らずに他人の著作物を 載せてよい「引用」という仕組みを用意しています。

引用として認められるための主な条件

  • 公表された著作物であること(未公表のものは対象外)
  • 自分の記述が、引用部分がの関係にあること
  • かぎ括弧や書式の変更などで、引用部分がどこかを明瞭に区別できること
  • 引用する必然性があり、目的に照らして必要な範囲にとどまること
  • 出所(著作者名、記事名、URLなど)を明示すること

条件のうち一つでも欠けると、引用ではなく無断転載になります。特に崩れやすいのが 主従関係で、他人の文章が大半を占める資料は、出所を書いても引用とは認められません。

混同しやすいものとの違い

使い方 許諾の要否と条件
引用 許諾は不要。区別・主従関係・出所明示などの条件を満たす必要がある
転載 引用の条件を満たさない利用。著作権者の許諾が要る
私的使用のための複製 許諾は不要だが、個人や家庭内など限られた範囲での利用に限られる
翻案 元の表現に依拠して書き換える行為。原則として著作権者の許諾が要る

試験では「社内で使うだけなら自由か」「出所を書けば量は自由か」という形で問われます。 どちらも答えは「いいえ」で、条件をすべて満たして初めて引用になると覚えてください。

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