自社の販売管理システムの改修を外部に委託しようとしている。発注先はまだ決めて いないが、見積りを依頼するために、複数の候補企業へ社外秘のシステム仕様書を 開示する必要がある。この段階で候補企業と結んでおくべき契約はどれか。
正解:ア
ア守秘契約(NDA)
正解。開示した情報を検討という目的以外に使わないこと、第三者に漏らさないことを 約束させる契約です。発注前の見積り依頼の段階でも結べる点が要になります。
イ外部委託契約
誤り。これは業務の範囲、納期、報酬、成果物の扱いなど、委託そのものの条件を 定める契約です。発注先が決まってから結ぶものであり、まだ候補が複数ある 見積り依頼の段階では締結できません。
ウソフトウェア使用許諾契約(ライセンス契約)
誤り。これはソフトウェアの著作権者が利用者に対し、使用できる範囲や条件を 許諾する契約です。守るのは開示した情報ではなくソフトウェアの使われ方であり、 仕様書を見せる場面の取り決めにはなりません。
エボリュームライセンス契約
誤り。これは同じソフトウェアを多数の機器に導入する企業などが、必要な本数分の 使用権をまとめて購入する契約です。使用許諾を数量単位で結ぶ方式であり、 秘密の保持を目的とするものではありません。
見せる前に、口止めをしておく
見積りを取るには、こちらの中身を見せなければ相手も金額を出せません。しかし 見せた相手が発注先になるとは限らず、選ばれなかった会社の手元にも自社の仕様が 残ります。そこで、開示より先に「この情報は検討のためだけに使い、外には出さない」 と約束させるのが守秘契約(NDA)です。
契約を結ぶ順番
- 守秘契約(NDA):情報を見せる前。目的外利用の禁止、第三者への開示禁止、 検討終了後の返却・破棄などを定める
- 外部委託契約:発注先を決めた後。業務範囲、納期、報酬、成果物の権利の 帰属などを定める(秘密保持の条項をこの中に含めることもある)
順番が逆になると、契約のない状態で社外秘の情報を渡すことになります。
混同しやすいものとの違い
| 契約 | 何を取り決めるか |
|---|---|
| 守秘契約(NDA) | 開示した情報を目的外に使わず外部に漏らさないこと |
| 外部委託契約 | 委託する業務の範囲・納期・報酬・成果物の扱い |
| ソフトウェア使用許諾契約 | ソフトウェアを使える範囲と条件 |
| ボリュームライセンス契約 | 使用権を必要な本数分まとめて購入する方式 |
問題文に「まだ発注先が決まっていない」「社外秘の情報を見せる」とあれば守秘契約、 「業務を任せる条件を決める」とあれば外部委託契約、と読み替えられます。