通販サイトを運営するA社は、既存会員の購買履歴を集計し、 しばらく買っていない会員と、繰り返し高額な買物をしている会員とを分けて、 それぞれに違う案内を送ることにした。この目的に適した分析手法はどれか。
正解:イ
ア3C分析
誤り。3C分析は顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の 三つの視点で事業環境を整理する手法です。顧客を見る点が似ていますが、 見るのは市場全体の動向であって、会員一人ひとりの購買実績ではありません。
イRFM分析
正解。最終購買日(Recency)、購買頻度(Frequency)、購買金額(Monetary)の 三つで既存顧客を格付けする手法です。「しばらく買っていない」「繰り返し高額」が そのままR・F・Mの高低に対応します。
ウPEST分析
誤り。PEST分析は政治、経済、社会、技術という、自社では動かせない マクロ環境を洗い出す手法です。中長期の事業環境を読むための道具であり、 手元にある購買履歴を分類する場面では材料になりません。
エSTP分析
誤り。市場を細分化し、狙う層を選び、自社の位置づけを決める手法です。 顧客を分ける点がRFM分析と紛らわしいのですが、STPはこれから市場を切り分ける 段階の話で、RFMは自社で既に買った実績値で分ける点が違います。
手法の名前ではなく、見る材料で選ぶ
分析手法の略語は覚えにくいのですが、「何を材料にして、何を決める道具か」で 並べ直すと迷いません。RFM分析は、自社に貯まっている購買履歴を材料にして、 既存顧客の優先順位を決める道具です。
RFMの三つの指標
| 指標 | 見るもの | 高い会員は |
|---|---|---|
| R(Recency) | 最終購買日がどれだけ最近か | 関心が続いている |
| F(Frequency) | 買った回数の多さ | 常連である |
| M(Monetary) | 購買金額の合計 | 売上への貢献が大きい |
三つとも高い会員は優良顧客、Fは高いのにRだけ落ちた会員は離反しかけている、 というように読み取れます。誰に何を送るかを変える根拠になるのが、この手法の使いどころです。
見る材料で並べると
| 手法 | 何を材料にするか |
|---|---|
| RFM分析 | 自社の購買履歴。既存顧客を格付けする |
| 3C分析 | 顧客・競合・自社。事業環境を整理する |
| PEST分析 | 政治・経済・社会・技術。マクロ環境を読む |
| STP分析 | 市場の細分化、標的の選定、位置づけの決定 |
試験では「既存顧客」「購買履歴」「優良顧客」とあればRFM分析、 「法改正」「景気」「人口構成」とあればPEST分析、と読み分けるのが近道です。