問題 3★★☆

C社は、日用品の定期宅配サービスの構想をビジネスモデルキャンバスで整理している。 バリュープロポジションの欄に書く内容として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア買い物に行く時間が取れない世帯に、必要な日用品を欠かさず自宅まで届けること

    正解。バリュープロポジションは、顧客の困りごとを解決し、顧客が対価を払う 理由になる価値を書く欄です。「時間が取れなくても日用品が届く」は、 顧客の側から見た値打ちを言い表しています。

  2. イ共働きや高齢の世帯という、買い物に出かけにくい事情を抱えた顧客の集まり

    誤り。これはカスタマーセグメントの欄です。バリュープロポジションと必ず対で 考えるため混同しますが、こちらに書くのは価値を届ける相手であり、 その相手が受け取る値打ちの中身ではありません。

  3. ウ注文を受け付ける自社アプリと、商品を家庭まで運ぶ宅配事業者の配送網

    誤り。これはチャネルの欄です。価値を顧客に知ってもらい、届けるための経路を 書きます。同じ「届ける」でも、こちらは届ける手段の話で、 届いたものが顧客にとってなぜうれしいのかは扱いません。

  4. エ会員から毎月受け取る基本料金と、追加注文のたびに受け取る商品代金

    誤り。これは収益の流れの欄です。価値を提供した結果として、どんな方法で いくら受け取るかを書きます。価値そのものと、その対価の受け取り方は、 別の欄に分けて考えるのがキャンバスの作法です。

理解を深めるために

「誰に」と「何の値打ちを」は別の欄

ビジネスモデルキャンバスは、事業の構想を9つの欄に分けて1枚に書き出す道具です。 分けて書かせるのには理由があります。頭の中では「共働き世帯に、日用品を届ける」と ひとつながりで考えてしまい、相手と値打ちのどちらが曖昧なのかに気づけないからです。

中心にある二つの欄

欄 書くこと
バリュープロポジション 顧客の困りごとを解決する、その顧客ならではの値打ち
カスタマーセグメント 値打ちを届ける相手を、事情やニーズごとに分けた集団
チャネル 相手に知ってもらい、届けるための経路
収益の流れ 対価をどんな方法でいくら受け取るか

この二つは必ず対で書きます。「誰に」を変えれば「何の値打ちか」も変わるためです。

書いて終わりにしない

キャンバスに書いた内容は、まだ確かめていない思い込みです。 そこで、書いた内容を仮説として扱い、少数の顧客に試作品を使ってもらったり、 案内を出して反応を見たりして確かめます。これが仮説検証です。

外れていた欄だけを書き直し、また確かめる。この繰り返しで構想を磨いていくのが、 キャンバスの本来の使い方です。試験では「9つの欄を埋めれば完成」とは考えないこと。

前の問題へ次の問題へ