E社は、市場成長率と市場占有率の二軸で自社製品を四つに分類した。 このうち、市場成長率が低く市場占有率が高い「金のなる木」に置かれた製品への 対応として、最も適切なものはどれか。
正解:イ
ア占有率を守る投資を続け、市場の伸びに合わせて売上も伸ばしていく
誤り。これは成長率も占有率も高い「花形」への対応です。伸びる市場では 他社も投資してくるため、地位を保つには資金を使い続ける必要があります。 市場が成熟した金のなる木には、その必要がありません。
イ大きな追加投資は控え、生み出した資金を成長が見込める製品に回す
正解。市場が成熟して追加投資が要らないのに高い占有率をもつため、 安定した資金を生みます。その資金を「問題児」など成長分野へ配分することが、 この製品を持ち続ける最大の意味です。
ウ占有率を高めるため資金を集中して投じるか、見込みが薄ければ撤退する
誤り。これは成長率が高く占有率が低い「問題児」への対応です。伸びる市場に いるので投資すれば花形になり得ますが、外せば負け犬に落ちます。 投じるか引くかの判断を迫られる点が、金のなる木との違いです。
エ資金を生まず伸びも期待できないため、事業の縮小や撤退を検討する
誤り。これは成長率も占有率も低い「負け犬」への対応です。市場が成熟している 点は金のなる木と同じですが、占有率が高いか低いかで扱いは正反対になります。 金のなる木は撤退先ではなく、資金源として残す位置づけです。
製品を1つずつ見ず、組合せとして見る
PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)は、複数の製品を一覧に並べ、 限りある資金をどこに配るかを決めるための考え方です。 1つの製品だけを見ていると「儲かっているから良い」で終わりますが、 組合せで見ると「儲けを次の柱にどう回すか」という問いに変わります。
四つの位置づけ
| 市場占有率 高 | 市場占有率 低 | |
|---|---|---|
| 市場成長率 高 | 花形 | 問題児 |
| 市場成長率 低 | 金のなる木 | 負け犬 |
- 花形 — 稼ぐが、地位を守るため投資も要る。差し引きの資金は残りにくい
- 金のなる木 — 市場が成熟し投資が要らないのに稼ぐ。資金の出どころ
- 問題児 — 市場は伸びるが自社は弱い。投資して花形を狙うか、退くかを選ぶ
- 負け犬 — 稼ぎも伸びも乏しい。縮小や撤退の候補
理想の流れは、金のなる木の資金を問題児に投じて花形に育て、 その市場が成熟したら次の金のなる木にする、という循環です。
製品を見るときの周辺用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| プロダクトライフサイクル | 導入・成長・成熟・衰退という製品の一生 |
| コモディティ化 | 各社の製品の差がなくなり、価格でしか選ばれなくなること |
| カニバリゼーション | 自社製品どうしが同じ顧客を奪い合ってしまうこと |
金のなる木は、ライフサイクルでいえば成熟期にあたります。 成熟期はコモディティ化も進みやすいため、いつまでも稼ぎ続ける前提は置けません。