小売業のA社は、実店舗とECサイトとスマートフォンアプリの在庫と顧客情報を統合した。 利用者はどの窓口を使っても購入履歴やポイントが共通で、 ECで注文した商品を近くの店舗で受け取れる。この流通戦略を表す言葉はどれか。
正解:ア
アオムニチャネル
正解。実店舗やECなど顧客との接点をすべてつなぎ、どこから利用しても 同じ体験になるようにする流通戦略です。在庫と顧客情報の一元管理が、 店舗受取や共通ポイントを成り立たせる前提になります。
イダイナミックプライシング
誤り。需要や在庫の状況に応じて価格を機動的に上下させる価格戦略です。 航空券やホテルの料金が代表例で、同じマーケティング戦略の用語ですが、 決めているのは値段であって、販売経路のつなぎ方ではありません。
ウフランチャイズチェーン
誤り。本部が商標や運営ノウハウを加盟店に提供し、対価としてロイヤリティを 受け取る流通の仕組みです。少ない投資で店舗網を広げる方法であって、 複数の窓口の情報を統合することを指す言葉ではありません。
エマーチャンダイジング
誤り。適切な商品を適切な時期・数量・価格でそろえる商品化計画のことです。 何をどれだけ品ぞろえするかを決める活動であり、設問のように チャネルをまたいで在庫と顧客情報をつなぐことを指す言葉ではありません。
「どこで買ったか」を意識させない
ネットで注文した商品を帰り道の店舗で受け取る。店頭で在庫切れだった色を、 その場でアプリから取り寄せる。たまったポイントはどちらでも同じように使える。 こうして買う場所の境目をなくすのがオムニチャネルです。 オムニ(omni)は「すべての」という意味で、あらゆる接点をひとつなぎにする発想を表します。
窓口を増やすこととは違う
店舗もECもアプリも持っている企業は珍しくありません。 しかしそれぞれが別々に在庫を抱え、顧客情報も別管理なら、利用者から見れば別の店です。 これはマルチチャネルであってオムニチャネルではありません。分かれ目は次の点です。
- 在庫を一元管理し、どの窓口からでも同じ在庫を引き当てられる
- 顧客情報が統合され、購入履歴やポイントが窓口をまたいで引き継がれる
- 注文する窓口と受け取る窓口が違ってよい
似た用語との違い
| 用語 | 何を決めるか |
|---|---|
| オムニチャネル | すべての販売経路を統合し、一貫した購買体験にする |
| マルチチャネル | 販売経路を複数持つ(各経路は連携していない) |
| フランチャイズチェーン | 加盟店にノウハウを提供して店舗網を広げる |
| マーチャンダイジング | 何をいつ、いくらで、どれだけ品ぞろえするか |
試験では「実店舗とECの在庫・顧客情報を統合」「ネットで注文して店舗で受け取る」 といった記述が出たらオムニチャネルと判断できます。 価格の上げ下げが主題ならダイナミックプライシングで、別の論点です。