ある企業では、部門ごとに導入した10台のサーバを自社で運用しているが、 どのサーバもCPUやメモリの使用率が低いままである。設置場所と 電力、保守の手間を減らしたい。取るべき方策として最も適切なものはどれか。
正解:ア
ア仮想化を導入し、各サーバを仮想サーバとして1台の機器にまとめる。
正解。仮想化は1台の物理サーバを複数のサーバとして使える形に分ける 技術です。使用率の低いサーバを1台に集約でき、機器の台数が減るので 設置場所も電力も保守の手間も下がります。
イ10台を一つのクラスタとして束ね、停止時に処理を引き継がせる。
誤り。クラスタは複数台をまとめて一つのシステムに見せる構成で、 止まりにくくする効果はありますが、機器は10台のまま残ります。 台数を減らしたいという今回の目的には応えられません。
ウ各サーバのデータを外部の媒体へ定期的に複製し、別の場所へ保管する。
誤り。これはバックアップです。データを失ったときに戻すための備えで、 サーバの資源の無駄とは別の話です。複製を作っても機器の台数は 減らず、保守の対象も変わりません。
エサーバ群の前に負荷分散装置を置き、要求を各サーバへ振り分ける。
誤り。負荷分散装置は要求を均等に配る仕組みで、処理が集中したときに 効きます。今回は逆にどのサーバも余裕がある状態なので、振り分けても 使用率の低さと台数の多さは解消しません。
空き部屋だらけのビルを、1棟にまとめる
10台のサーバがどれも使用率が低いという状態は、10棟のビルがどれも 数室しか使われていないのと同じです。それでも建物ごとに電気代も 点検も必要で、費用は台数の分だけかかります。
仮想化を使うと、1台の物理サーバの中に複数のサーバを作れます。 空いていた資源を持ち寄って1台に詰め直す、つまりサーバの集約です。 機器の台数が減れば、設置場所も電力も保守の対象も同時に減ります。
集約すると何が変わるか
- 物理的な機器が減る … 設置スペース、電力、機器の保守契約が減る
- 資源を融通できる … 忙しい仮想サーバに多くのCPUやメモリを回せる
- 増やすのが早い … 新しいサーバが必要になっても、機器を買わずに 仮想サーバを1台作るだけで済む
一方で、集約先の1台が故障すると、その上の仮想サーバがまとめて 止まります。止められない業務では、集約した基盤をさらにクラスタで 束ねるなど、別の備えを重ねます。
混同しやすいものとの違い
| 手段 | 解決できる課題 |
|---|---|
| 仮想化(集約) | 機器の台数と、余っている資源の無駄 |
| クラスタ | 1台が停止したときの業務の停止 |
| 負荷分散装置 | 特定のサーバへの処理の集中 |
| バックアップ | データの消失や誤削除からの復旧 |
試験では「何を減らしたいのか」を読み取るのが要点です。 台数や資源の無駄なら仮想化、停止時間なら冗長化の話になります。