ある地域の世帯年収を集計したところ、ごく一部に非常に高い世帯があり、 平均値は大多数の世帯の年収より高くなった。全体のちょうど真ん中に位置する世帯の 水準を知りたいとき、用いる値として最も適切なものはどれか。
正解:エ
ア平均値。すべての値を合計し、データの個数で割って求める。
誤り。平均値は合計を世帯数で割った値です。ごく一部の非常に高い年収も 全世帯に配分されたように計算されるため、上に引っ張られて大多数の実感から 離れます。問題文が「実態と合わない」と述べているのは、この状態です。
イ最頻値。データの中で最も多く現れた値を取り出す。
誤り。最頻値は最も多く現れた値です。5段階の満足度のように同じ値が繰り返し 出るデータでは役に立ちますが、年収のように値がばらつく場合、最も多い値でも 該当世帯はわずかで、全体の真ん中の位置を表すとは限りません。
ウ範囲。最大値と最小値の差をとり、ばらつきの幅を示す。
誤り。範囲は集団の中心ではなく、散らばりの大きさを示す指標です。一世帯だけ 極端に高いと範囲は大きくなりますが、それは幅が広いと分かるだけで、 真ん中の世帯がどのあたりかは読み取れません。
エ中央値。値を小さい順に並べ、ちょうど真ん中に来る値をとる。
正解。中央値は順番だけで決まるので、極端に大きい値がいくつあっても 真ん中の位置は動きません。「ちょうど真ん中の世帯はいくらか」を知りたい 本問の目的にそのまま合う代表値です。
平均年収は「真ん中の人」ではない
10人の年収が400万円で、11人目に1億円の人が加わったとします。 平均は約1,270万円に跳ね上がりますが、11人のうち10人は400万円のままです。 このとき平均値は誰の実感とも合っていません。
値を小さい順に並べて真ん中を見ると400万円で、こちらのほうが集団の姿を表します。 これが中央値です。ニュースで「平均年収」と「中央値」の両方が示されるのは、 片方だけでは分布の偏りが見えないからです。
3つの代表値の使い分け
- 平均値 … すべての値を反映するが、極端な値に引っ張られる
- 中央値 … 順位で決まるので、極端な値の影響を受けにくい
- 最頻値 … いちばん多い値。選択肢や商品サイズのように値の種類が少ないときに向く
年収、住宅価格、滞在時間のように「一部だけ極端に大きい値がある」データでは、 平均値と中央値を並べて見るのが基本です。
代表値と、散らばりを表す値
| 値 | 何を表すか |
|---|---|
| 中央値 | 小さい順に並べたときの真ん中の値。極端な値に動かされにくい |
| 平均値 | 合計を個数で割った値。全体の水準を表すが、外れ値に弱い |
| 最頻値 | 最も多く現れた値。同じ値が繰り返し出るデータで有効 |
| 範囲 | 最大値と最小値の差。中心ではなく、ばらつきの幅を表す |
問題文に「一部に極端な値がある」「大多数の実感と合わない」とあれば、 中央値を選ぶ場面だと判断できます。