あるコンビニエンスストアチェーンが店舗ごとの月次データを集計したところ、 日焼け止めの売上金額とアイスクリームの売上金額との間に強い正の相関が見られた。 この結果の解釈として、最も適切なものはどれか。
正解:ア
ア気温のように両方の売上を押し上げる要因が別にあると考えられ、一方が他方の原因とは言えない。
正解。夏になれば日焼け止めもアイスも売れます。二つの裏側にある気温が 両方を同時に動かしているだけで、片方がもう片方を売れさせているわけでは ありません。この見かけ上の相関を擬似相関といいます。
イ相関係数が1に近いほど因果関係が強いことを表すので、一方が他方の原因だと判断してよい。
誤り。相関係数が表すのは「二つの値が一緒に動く度合い」だけで、原因と結果の 向きは何も示しません。値が大きいほど一緒に動いていることは確かになりますが、 なぜ一緒に動くのかはその数字からは分かりません。
ウ一方を説明変数、他方を目的変数として回帰分析を行えば、両者の因果関係を証明できる。
誤り。回帰分析は片方の値から他方の値を推定する式を作る手法です。一緒に動いて さえいれば擬似相関のデータでも式は作れてしまうので、式のあてはまりの良さは 因果関係の証明にはなりません。
エ外れ値を取り除いて相関係数を計算し直せば、両者に因果関係があるかどうかを確かめられる。
誤り。外れ値の処理は、極端な値に引きずられて相関が見かけ上強く出たり弱く出たり するのを防ぐための手当てです。相関の強さを測り直すことはできますが、 どちらが原因かは相関係数からは分かりません。
「売れる季節が同じ」だけかもしれない
日焼け止めとアイスクリームは、どちらも暑くなると売れます。ですから月ごとに並べれば、 二つの売上は仲良く上がったり下がったりします。しかし、日焼け止めを買った人が その足でアイスを買っているわけではありません。背後にいるのは気温で、 二つの売上はどちらも気温に引っ張られているだけです。
このように、直接の原因と結果の関係がないのに関係があるように見える相関を 擬似相関といいます。
相関が見つかったときに疑うこと
相関は「二つの値が一緒に動いている」という事実にすぎず、向きも理由も含みません。 一方、因果は「一方を変えれば他方が変わる」という関係で、原因と結果の向きがあります。 強い相関が出たら、次の3つを疑ってから因果を語ります。
- 両方に影響する第三の要因はないか(今回の気温)
- 対象の数が少なく、たまたま数字が合っただけではないか
- 原因と結果が逆ではないか
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を表すか |
|---|---|
| 擬似相関 | 因果関係がないのに、相関があるように見える状態 |
| 相関分析 | 二つの項目が一緒に動く度合い(相関係数)を測る |
| 回帰分析 | 一方の値から他方の値を推定する式を求める |
| 外れ値の処理 | 極端な値を確認し、集計への影響を取り除く |
試験では「相関が強いから原因である」と言い切る選択肢が誤答として置かれます。 データの動きだけを根拠に因果を主張していないか、そこを見れば見分けられます。