データマネジメントデータマネジメント★★☆

ある企業では、部門ごとに顧客データを集めて利用しているが、項目の定義や取扱いの 基準、責任の所在が部門によって異なっている。全社のデータガバナンスを確立する ための取組みとして、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 部門ごとに使っているデータベース製品を一つに統合し、データの保存先をまとめる。

    誤り。これはシステム基盤の統合であり、データを保管・運用するマネジメント側の 作業です。製品をそろえても、どの基準で誰が扱うかが決まっていなければ、 同じ入れ物の中に定義の違うデータが並ぶだけで、食い違いは残ります。

  2. 全社共通のデータの取扱い基準と責任者を定め、基準が守られているかを点検する。

    正解。データガバナンスは、ルールを定め、責任者を決め、守られているかを 監督する枠組みです。実際にデータを整備・運用するのはその下のデータ マネジメントで、ガバナンスはその土台となる決め事を与える側にあたります。

  3. 各部門にデータ分析の担当者を置き、分析結果を業務改善につなげる体制をつくる。

    誤り。これはデータを経営や業務に活かすデータドリブン経営の取組みです。 活用は目的ですが、定義や基準がそろっていないうちに分析を進めると、 部門ごとに違う数字が出て、かえって判断を迷わせることになります。

  4. 保有するデータをすべて暗号化し、外部への持ち出しを技術的に制限する。

    誤り。これはデータセキュリティの対策で、ガバナンスが定めたルールを実行する 具体策の一つです。漏えいは防げても、項目の定義の違いや責任の所在が あいまいなことは解消しません。ルールを決める話と実行する話は別の層です。

ルールを決める側と、そのルールで動く側

会社の中を国にたとえると分かりやすくなります。データガバナンスは、法律を作り、 違反がないかを見張る立法・司法にあたります。これに対しデータマネジメントは、 決まった法律の下で実際に道路を作り、窓口を開ける行政の仕事にあたります。 どちらもデータを扱いますが、決める側と動かす側という立場の違いがあります。

データガバナンスが決めること

  • データの意味や項目の定義をどうそろえるか(例:「顧客」とは契約者か、見込み客も含むか)
  • どのデータに誰が責任をもつか(データオーナーの任命)
  • 誰がどこまで参照・更新してよいか、社外に出してよいか
  • 決めたルールが守られているかを、どう点検し、是正するか

問題文のように部門ごとに定義がばらばらな状態は、ツールを入れても直りません。 先に「全社としてこう扱う」という決め事と、それを守らせる仕組みが要ります。

層の違いで整理する

用語 立場
データガバナンス 基準・権限・責任を定め、遵守状況を監督する枠組み
データマネジメント 定められた枠組みの中で、データを整備し運用する活動
データドリブン経営 整ったデータを根拠に意思決定を行う経営のあり方
データセキュリティ 不正な参照や漏えいからデータを守る個別の対策

「基準を定めて守らせる」とあればガバナンス、「実際に整備・運用する」とあれば マネジメントです。選択肢がどちらの層の話をしているかで見分けられます。

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