正解:ウ
各選択肢の解説
ア蓄積したデータを集計して、経営判断に役立つ傾向をグラフで示す。
誤り。これはBIツールの役割です。BIツールもデータベースのデータを読み込んで 使うため同じものと思われがちですが、RDBMSはデータを正しく保管して渡す側で、 BIツールはそれを受け取って分析・可視化する側です。
イ部署のアプリケーションごとに顧客データの写しを作って保存させる。
誤り。これは改める前の、部署ごとにファイルを持つやり方そのものです。 写しが複数あると、どれか1つを直しても他は古いままになり、今回の問題が 再び起きます。RDBMSはデータを1か所にまとめ、全部署が同じものを参照します。
ウデータを一元的に管理し、定めた規則に反する登録を拒んで整合性を保つ。
正解。データを1か所で持つので住所を1回直せば全部署に反映され、 「同じ値の重複を許さない」「存在しない顧客の注文は登録させない」といった 規則もDBMSが守らせるため、各アプリケーションで作り込む必要がありません。
エ画面から入力された値を業務の手順に沿って処理し、帳票を出力する。
誤り。これは各部署のアプリケーションが受け持つ業務処理です。アプリケーションは データベースに読み書きを依頼しますが、どんな画面や帳票にするかは業務ごとに 違うため、共通のデータを管理するRDBMSの役割とは分けて作ります。
理解を深めるために
データの「管理」をアプリから引き取る仕組み
部署ごとにファイルを持つやり方は、各部署が自分用の住所録を手元に置いているのと同じです。 誰かの引っ越しを1冊に書き込んでも、残りの住所録は古いままです。
RDBMS(関係データベース管理システム)は、この住所録を1冊にまとめて管理人を置く 仕組みです。各部署は自分で住所録を持たず、管理人に「この顧客の住所を教えて」 「住所をこう直して」と頼みます。
RDBMSが引き受けること
アプリケーションではなくDBMSの側が担うのは、主に次のような仕事です。
- データの一元管理 … データを1か所に持ち、どのアプリケーションにも同じものを渡す
- 整合性の維持 … 主キーの重複や、存在しない相手を指す登録など、規則に反するデータを拒む
- 格納方法の隠蔽 … データがディスクのどこにどう置かれているかをアプリケーションに意識させない
- 利用者の管理 … 誰がどの表を読めるか・書けるかを制御する
規則をDBMS側に置いておけば、新しいアプリケーションを追加しても 同じ規則が自動的に効きます。アプリケーションごとに入力チェックを作り込み、 どこか1つで抜けてデータが壊れる、という事態を防げます。
混同しやすいものとの違い
| 仕組み | 役割 |
|---|---|
| RDBMS | データを表の形で一元管理し、規則に沿って整合性を保つ |
| BIツール | データベースのデータを集計・分析し、グラフなどで見せる |
| 部署ごとのファイル | アプリケーションごとにデータを持つ。写しが食い違いやすい |
| 業務アプリケーション | 画面の入力や業務の手順を処理し、帳票を出す |
「データそのものを守って渡す」のがRDBMS、「データを使って何かをする」のが アプリケーションやBIツール、と役割の向きで見分けると迷いません。