新しいサービスの企画チームが、利用者調査の結果をもとにペルソナを作ることにした。 ペルソナの説明として、最も適切なものはどれか。
正解:イ
ア年齢や地域などの属性で顧客を層に分け、規模の大きい層を狙いとして選び出したもの。
誤り。これはターゲットセグメントの説明です。ペルソナも調査結果から作りますが、 セグメントが「20代の女性」のような集団の輪郭で止まるのに対し、 ペルソナは一人の人物にまで絞り込んで描く点が違います。
イ調査で分かった利用者の姿を、名前や生活、目的をもつ一人の人物として描いたもの。
正解。人物として具体的に描くことで、「この人はこの画面で迷うだろうか」と チーム全員が同じ相手を思い浮かべながら議論できます。作り手の思い込みではなく 調査結果を土台にする点が、ただの空想との分かれ目です。
ウ実在する顧客一人の購入履歴と問合せ履歴を、担当者が見られるようにまとめた記録。
誤り。これは顧客ごとの取引記録の説明です。ペルソナは実在の特定個人ではなく、 調査結果から組み立てた代表的な人物像です。実在の一人に合わせると、 その人だけの事情に設計が引きずられてしまいます。
エサービスに関わる社内外の関係者を洗い出し、影響の大きさで並べて整理したもの。
誤り。これはステークホルダーの整理の説明です。対象は出資者や取引先も含む 関係者全般で、利用者に限りません。ペルソナは「誰のために作るのか」を 一人の利用者像に固定するためのもので、目的が異なります。
「20代の女性」では、誰も思い浮かばない
会議で「利用者は20代の女性です」と言われても、参加者はそれぞれ違う人を 想像したまま議論を進めてしまいます。そこで「28歳、共働きで1歳の子がいる。 通勤電車の中でスマートフォンを片手で操作する」とまで描くと、 全員が同じ相手を見ながら「この人なら片手で押せるボタンが要る」と判断できます。 これがペルソナです。
作り方の要点
- 出発点はインタビューやアンケートなどの調査結果。想像から作らない
- 名前・年齢・職業に加え、生活の様子、達成したいこと、困っていることを書く
- 一人に絞る。あれもこれもと欲張ると、結局誰でもない人物になる
- 調査が更新されたら書き直す。作って貼って終わりにしない
人間中心設計やデザイン思考では、利用者の視点から設計と評価を繰り返します。 ペルソナはその「利用者の視点」をチームで共有するための道具です。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| ペルソナ | 調査に基づき、代表的な利用者を一人の人物として具体的に描いたもの |
| ターゲットセグメント | 市場を属性などで層に分け、狙う層を選び出したもの |
| 顧客の取引記録 | 実在する個々の顧客の購入・問合せの履歴 |
| ステークホルダーの整理 | 出資者や取引先も含む関係者の洗い出し |
見分け方は「集団か、一人か」「実在か、調査から組み立てた像か」の2点です。 属性で括った集団ならセグメント、名前と生活まで描かれた一人ならペルソナです。