デザインのアプローチデザインのアプローチ★★☆

通販アプリを運営する企業が、UXの向上を目的とした改善に取り組むことになった。 UXの説明として、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 利用者がそのサービスを知り、選び、使い、使い終わった後までに得る体験の全体。

    正解。操作が快適でも、届いた商品の返品方法が分からなければ良い体験にはなりません。 購入前の情報の探しやすさから購入後のサポートまでを一続きの体験として扱うのが UXの考え方です。

  2. 利用者が目的の操作を迷わず効率よく行えるかという、操作のしやすさの度合い。

    誤り。これはユーザビリティの説明です。UXと混同されやすいのは、 操作のしやすさがUXを左右する大きな要素だからです。ただしユーザビリティは 「使っている最中」に限った話で、UXが扱う範囲の一部にすぎません。

  3. 利用者が画面上で直接触れて操作する、ボタンや文字などの接点そのもの。

    誤り。これはUI(ユーザインタフェース)の説明です。UIは利用者とサービスが 接する部分という「もの」を指し、UXはそこを使った結果として利用者の側に残る 「体験」を指します。UIを整えるのはUXを良くする手段の一つです。

  4. 利用者が感じた満足の程度を調査で尋ね、点数として集計し比べた指標。

    誤り。これは顧客満足度(CS)の説明です。満足度は体験の結果を後から測った 数値であり、体験そのものではありません。UXは設計して作り込む対象、 満足度はその出来ばえを確かめるものさし、という関係になります。

「押しやすいボタン」だけでは足りない

通販アプリで、商品の検索も注文も数タップで終わる。操作はとても快適です。 ところが届いた商品のサイズが合わず返品しようとすると、手順がどこにも見当たらず、 問合せ先を探すのに10分かかった。この利用者にとって、このアプリの体験は 良かったといえるでしょうか。UX(User Experience) は、こうした サービスとの関わり全体で利用者が得る体験を指します。

UXが対象にする広さ

  • 知る:広告や口コミでサービスの存在を知る
  • 選ぶ:条件を絞って比べ、買うかどうかを決める
  • 使う:実際に操作する(この部分の質がユーザビリティ)
  • 使い終わった後:返品、問合せ、解約、次の利用

改善の議論が画面の中だけで止まりがちなのは、作り手から見えやすいのが 画面だからです。UXの視点を持つと、届いた後の案内や問合せ窓口も 設計の対象に入ってきます。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
UX 知る・選ぶ・使う・使用後までを通じて利用者が得る体験の全体
ユーザビリティ 操作のしやすさ。使っている最中の質で、UXの一部
UI 利用者が触れるボタンや表示など、接点そのもの
顧客満足度(CS) 体験の結果を調査で点数にして測った指標

見分け方は「範囲」と「もの/体験」の2点です。操作中に限った話ならユーザビリティ、 画面の部品という物そのものならUI、測った数値なら満足度。 それらを含んだ体験の全体がUXです。

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