問題 6★★☆

通販アプリを運営する企業が、UXの向上を目的とした改善に取り組むことになった。 UXの説明として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア利用者がそのサービスを知り、選び、使い、使い終わった後までに得る体験の全体。

    正解。操作が快適でも、届いた商品の返品方法が分からなければ良い体験にはなりません。 購入前の情報の探しやすさから購入後のサポートまでを一続きの体験として扱うのが UXの考え方です。

  2. イ利用者が目的の操作を迷わず効率よく行えるかという、操作のしやすさの度合い。

    誤り。これはユーザビリティの説明です。UXと混同されやすいのは、 操作のしやすさがUXを左右する大きな要素だからです。ただしユーザビリティは 「使っている最中」に限った話で、UXが扱う範囲の一部にすぎません。

  3. ウ利用者が画面上で直接触れて操作する、ボタンや文字などの接点そのもの。

    誤り。これはUI(ユーザインタフェース)の説明です。UIは利用者とサービスが 接する部分という「もの」を指し、UXはそこを使った結果として利用者の側に残る 「体験」を指します。UIを整えるのはUXを良くする手段の一つです。

  4. エ利用者が感じた満足の程度を調査で尋ね、点数として集計し比べた指標。

    誤り。これは顧客満足度(CS)の説明です。満足度は体験の結果を後から測った 数値であり、体験そのものではありません。UXは設計して作り込む対象、 満足度はその出来ばえを確かめるものさし、という関係になります。

理解を深めるために

「押しやすいボタン」だけでは足りない

通販アプリで、商品の検索も注文も数タップで終わる。操作はとても快適です。 ところが届いた商品のサイズが合わず返品しようとすると、手順がどこにも見当たらず、 問合せ先を探すのに10分かかった。この利用者にとって、このアプリの体験は 良かったといえるでしょうか。UX(User Experience) は、こうした サービスとの関わり全体で利用者が得る体験を指します。

UXが対象にする広さ

  • 知る:広告や口コミでサービスの存在を知る
  • 選ぶ:条件を絞って比べ、買うかどうかを決める
  • 使う:実際に操作する(この部分の質がユーザビリティ)
  • 使い終わった後:返品、問合せ、解約、次の利用

改善の議論が画面の中だけで止まりがちなのは、作り手から見えやすいのが 画面だからです。UXの視点を持つと、届いた後の案内や問合せ窓口も 設計の対象に入ってきます。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
UX 知る・選ぶ・使う・使用後までを通じて利用者が得る体験の全体
ユーザビリティ 操作のしやすさ。使っている最中の質で、UXの一部
UI 利用者が触れるボタンや表示など、接点そのもの
顧客満足度(CS) 体験の結果を調査で点数にして測った指標

見分け方は「範囲」と「もの/体験」の2点です。操作中に限った話ならユーザビリティ、 画面の部品という物そのものならUI、測った数値なら満足度。 それらを含んだ体験の全体がUXです。

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