育児中の親向けアプリの企画を役員に説明したが、機能の一覧を読み上げても必要性が 伝わらなかった。次回はストーリーテリングを用いる。その進め方として最も適切なものはどれか。
正解:ア
ア主人公となる利用者を一人立て、困っている場面から解決までを筋立てて語る。
正解。「朝、子どもを抱えたまま片手で予約を取り直す」場面から語ると、 聞き手はその人になったつもりで不便さを感じ取れます。 利用者を主人公にした物語の形で語り、自分ごとにしてもらう手法です。
イ機能を分類ごとに整理し、それぞれの仕様と開発費用を漏れなく読み上げる。
誤り。これは今回うまくいかなかったやり方そのものです。一覧は網羅性を示せますが、 その機能がなぜ要るのかという背景が抜け落ちます。 聞き手が必要性を感じ取れない点が、物語で語る場合との違いです。
ウ想定する利用者に試作を操作してもらい、迷った回数を測って結果を示す。
誤り。これはユーザビリティテストです。案の使いやすさを利用者の操作から 測る手法で、得られるのは改善すべき箇所の事実です。 案の必要性を聞き手に納得させるための語り方ではありません。
エ集めた意見を書いたカードを似た内容ごとにまとめ、関係を一枚の図に整理する。
誤り。これは親和図(KJ法)です。ばらばらの情報を分類して論点を見つける 整理の手法で、使うのは構想をまとめる段階です。 できた案を聞き手に語って伝える場面の手法ではありません。
仕様書は読まれないが、話は聞いてもらえる
「予約変更機能、通知機能、履歴表示機能を搭載します」と並べても、 聞き手の頭には何も残りません。ところが「保育園から呼び出しの電話が来た。 片手で子どもを抱えながら、もう片方の手で予約を取り直す」と語ると、 聞き手はその場面を思い浮かべます。利用者を主人公にして、困りごとから 解決までを物語の形で語るのがストーリーテリングです。
物語に入れる要素
- 誰が(調査から起こした具体的な利用者像)
- どんな場面で、何に困っているのか
- この案があると、その場面がどう変わるのか
- 変わった結果、その人にとって何がうれしいのか
機能の一覧は「何を作るか」しか語りませんが、物語は「なぜ作るか」を語ります。 数字で示しにくい価値を伝えたいときほど効きます。
混同しやすいものとの違い
| 手法 | 役割 |
|---|---|
| ストーリーテリング | 利用者を主人公にした物語として案を語り、共感を得る |
| 機能一覧の説明 | 作るものを漏れなく示す。背景や必要性は伝わりにくい |
| ユーザビリティテスト | 利用者に操作してもらい、案の使いやすさを測る |
| 親和図(KJ法) | 集めた情報を似た内容ごとにまとめ、論点を整理する |
試験では「聞き手に自分ごととして感じてもらう」「物語仕立てで語る」といった 言い回しが手掛かりになります。