デジタルサービス・デジタルツールデジタルサービスの活用★★★

電子機器メーカーで、注文に応じて仕様の異なる製品を少量ずつ作る受注が増えてきた。 ベルトコンベアによる流れ作業では、製品を切り替えるたびにラインの組替えに時間がかかる。 この課題への対応として最も適切なものはどれか。

正解:

  1. CADを導入し、設計や製図をコンピュータ上で行えるようにする。

    誤り。CADは設計や製図をコンピュータで行う仕組みで、図面の修正や流用が楽になります。 設計の段階は速くなりますが、組み立てる現場の作業のしかたは変わらないため、 ラインを組み替えるのに時間がかかるという課題そのものは残ります。

  2. かんばん方式を採り入れ、後工程が使った分だけを前工程に作らせる。

    誤り。かんばん方式は、後工程が引き取った分だけを前工程が作ることで、 作りすぎと工程間の在庫を減らすやり方です。JIT(必要なものを必要なときに必要なだけ)を 実現する手段の一つですが、狙いは在庫の削減で、切替えの速い作業形態を作るものではありません。

  3. MESを導入し、現場への作業指示と実績の収集を行って進捗を把握する。

    誤り。MESは製造現場に作業を指示し、実績や品質の情報を集めて進み具合を管理する システムです。現場の状況は見えるようになりますが、見えることと切替えが速くなることは 別の話で、長いラインを組み替えるという作りそのものは変わりません。

  4. セル生産方式に切り替え、少人数の作業者が組立ての全工程を受け持つ。

    正解。一人または少人数が最初から最後まで担当するので、作る製品が変わっても 作業台の部品と手順を入れ替えるだけで済みます。長いラインの組替えが要りません。

屋台のような作業台で、最初から最後まで

セル生産方式は、一人または少人数の作業者が、U字型などに部品と工具を並べた 小さな作業台(セル)で、製品の組立てを最初から最後まで受け持つ方式です。 その形から「屋台方式」と呼ばれることもあります。

ベルトコンベアによるライン生産は、同じ製品を大量に作るには非常に強い方式です。 しかし作る製品が変わるたびに、工程の分け方も治具の配置も組み替えなければなりません。 セル生産なら、作業台に並べる部品と手順書を入れ替えるだけで別の製品に移れるため、 多品種少量生産に向きます。

生産方式の考え方と、それを支える仕組み

同じ「生産」の話でも、考え方の層と道具の層があります。

用語 何を指すか
セル生産方式 少人数が全工程を担当する作業の形。切替えに強い
かんばん方式 後工程が使った分だけ前工程に作らせる指示の仕組み
JIT 必要なものを必要なときに必要なだけ作る考え方
MES 現場への作業指示と実績収集を担う製造実行システム

かんばん方式とJITは対等な用語ではありません。JITという考え方を実現する手段の一つが かんばん方式です。またリーン生産方式は、こうした取組を通じてムダを徹底的に そぎ落とす生産のしかた全体を指します。

問題文が「多品種少量」「切替えの速さ」を言っていればセル生産方式、 「在庫を減らす」「作りすぎを防ぐ」ならJITやかんばん方式です。

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