デジタルサービス・デジタルツールデジタルサービスの活用★★☆

デジタルアート作品をインターネット上で販売するにあたり、その作品データが唯一のもので あることと、これまで誰が保有してきたかを、ブロックチェーン上の記録として 示せるようにしたい。用いる技術として最も適切なものはどれか。

正解:

  1. NFT。一つ一つが固有で、他と取り替えられないことを示すトークンを発行する。

    正解。NFTはブロックチェーン上に「この一つは他のどれとも取り替えられない」という 印を付けたトークンです。作品と結び付けて発行すれば、唯一性と保有者が移った履歴が残ります。

  2. 暗号資産。同じ単位どうしが等価に交換できる、電子的な財産的価値をやり取りする。

    誤り。暗号資産もブロックチェーン上で扱われますが、同じ単位どうしは互いに等価で 取り替えがきく(代替可能)ことが前提です。だからこそ支払や送付の手段になるのであり、 特定の作品を「これしかない一つ」として示す用途には向きません。

  3. 電子マネー。あらかじめ入金した金額の範囲で、支払のたびに価値を移転させる。

    誤り。これはキャッシュレス決済の一つで、事前に入金した残高から代金を支払う仕組みです。 作品の代金を受け取る手段にはなりますが、残るのは支払の記録だけで、 作品そのものの唯一性や保有者の移り変わりを表すことはできません。

  4. アカウントアグリゲーション。複数の金融機関の口座情報を一つの画面にまとめる。

    誤り。これは利用者が持つ複数の口座の残高や入出金をまとめて表示するサービスです。 自分の資産の状況を把握しやすくする道具であって、デジタルデータに固有の印を付けたり、 その持ち主の移り変わりを記録したりする技術ではありません。

取り替えがきくか、きかないか

NFTは Non-Fungible Token の略で、Fungible が「代替可能な」という意味なので、 代替できないトークンという名前です。ここが暗号資産との分かれ目になります。

  • 1万円札は、どの1万円札と取り替えても価値は同じ(代替可能)
  • 有名画家の原画は、別の絵と取り替えたら別物になる(代替不可能)

暗号資産は前者、NFTは後者にあたります。どちらもブロックチェーンという同じ土台の上で 動きますが、扱っているものの性質が正反対です。

なぜブロックチェーンなのか

デジタルデータはいくらでも同じものが複製できるため、 「これが本物」と言うのが本来むずかしい世界です。 ブロックチェーンは、取引の記録を鎖のようにつないで多数の参加者で共有するため、 あとから書き換えることが非常に困難になっています。

その上に、作品と一対一で結び付いたトークンを発行しておけば、 発行から現在の保有者までの流れが記録として追えます。 なお、NFTを持つことが作品の著作権を持つことと同じ意味になるわけではありません。

金融とITが重なる領域の整理

用語 位置づけ
NFT 代替できないトークン。唯一性と保有履歴を示す
暗号資産 代替可能。電子的な財産的価値をやり取りする
キャッシュレス決済 現金を使わない支払。非接触IC決済、QRコード決済など
アカウントアグリゲーション 複数口座の情報を一つの画面に集約するサービス

これらをまとめて指す言葉がフィンテック(金融 + 技術)です。 フィンテックは上のどれかと並ぶ用語ではなく、それらを含む広い総称なので、 「これはフィンテックか」ではなく「代替できるか、支払か、集約か」で見分けます。

次の問題へ