情報倫理・AI倫理情報倫理・情報モラル★★☆

ある調査担当者が、アンケートの回収数が目標に届かなかったため、実際には 回答を得ていない架空の回答を自分で作り出し、集計に加えて報告書をまとめた。 この行為を表す用語として、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. データのねつ造

    正解。存在しないデータを新たに作り出し、あたかも得られたかのように示す行為です。 元になる事実そのものが無い点が特徴で、結論が正しく見えても、その根拠は どこにも存在しません。

  2. データの改ざん

    誤り。実際に得られたデータや記録を、後から都合よく書き換えたり、不都合な値を 取り除いたりする行為です。ねつ造と混同しやすいのですが、元のデータが存在するか どうかで分かれます。無から作れば、ねつ造です。

  3. データの盗用

    誤り。他人が集めたデータや作成した文章を、正当な引用の手続きや許可を経ずに 自分の成果として使う行為です。データ自体は本物である点がねつ造と違い、 問題になるのは出どころを偽った点です。

  4. フェイクニュース

    誤り。事実でない内容を報道のような形式に仕立て、不特定多数へ拡散させるものを 指します。作り事である点は似ていますが、狙いが世論や関心の誘導にある点、 業務や研究の成果物の信頼性を損なう不正とは場面が異なります。

「無いものを作る」か「あるものをいじる」か

データをめぐる不正は、ねつ造・改ざん・盗用の三つに整理されます。見分ける鍵は、 元になるデータが存在したかどうかと、それが誰のものかです。

  • ねつ造 … 得ていないデータを作り出す。元データがそもそも無い
  • 改ざん … 得たデータを書き換える、都合の悪い値を捨てる。元データはある
  • 盗用 … 他人のデータや文章を、断りなく自分のものとして使う

この三つは研究活動における不正行為の代表とされ、大学や研究機関のガイドラインでも 同じ枠組みで扱われます。企業でも、品質検査の記録や調査報告で同じことが起きます。

なぜ重い問題なのか

データは、結論を支える唯一の根拠です。根拠が作り物であれば、そこから導かれた 判断もすべて崩れます。しかも不正の多くは、結論を否定したいのではなく「思ったとおりの 結果にしたい」という動機から生まれます。数字が足りない、期待どおりにならないという 場面こそ危ないと知っておくことが、最初の予防になります。

混同しやすいものとの違い

用語 何をしたのか
データのねつ造 存在しないデータを作り出して示す
データの改ざん 得たデータを書き換える、選んで捨てる
データの盗用 他人のデータ・文章を無断で自分の成果にする
フェイクニュース 事実でない内容を報道の形で広める

試験では短い場面が示されます。「作り出した」ならねつ造、「書き換えた・除いた」なら 改ざん、「他人のものを使った」なら盗用と、動詞で判断すると迷いません。

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