経営・組織論経営管理★★★

D社の店舗運営部は、来店客の好みが短期間で変わるため、計画を立ててから回す 進め方では対応が遅れていた。そこで、まず現場を観察して状況を判断し、 素早く意思決定と行動を繰り返す進め方に改めた。この進め方はどれか。

正解:

  1. PDCA

    誤り。計画を立て、実行し、評価して改善する順に一方向へ回す進め方です。 手順が定まった業務の継続的な改善には向きますが、起点が計画なので、 前提が短期間で変わる場面では計画づくりが状況に追いつきません。

  2. 経営計画

    誤り。数年先の目標と、そこへ至る道筋をあらかじめ定めたものです。会社の 進む向きを全社で共有するには欠かせませんが、D社が困っていたのは計画が ないことではなく、計画どおりに進まない変化への追随のしかたです。

  3. 目標管理制度(MBO)

    誤り。従業員が上司と合意した目標を自ら管理し、達成度で評価する人事の 仕組みです。目標を起点に据える点は計画型に近く、また主な狙いも 組織の意思決定の速さではなく、個人の動機づけと評価にあります。

  4. OODAループ

    正解。観察(Observe)、状況判断(Orient)、意思決定(Decide)、 行動(Act)を繰り返します。計画ではなく現場の観察から始めるため、 前提が変わりやすい場面で速く動けます。

どこから回し始めるかが違う

PDCAもOODAループも、同じ活動を繰り返して良くしていく点は共通です。 違いは出発点です。PDCAは「まず計画」から、OODAループは「まず観察」から 始まります。この一点が、向く場面をはっきり分けます。

OODAループの四段階

  • Observe(観察): 現場や市場で今起きていることをそのまま捉える
  • Orient(状況判断): 観察したことが何を意味するのか、方向づけをする
  • Decide(意思決定): 取る手を決める
  • Act(行動): 実行し、その結果をまた観察に戻す

もとは戦闘機のパイロットの意思決定を整理したもので、相手や状況が刻々と変わる 前提に立っています。計画を作り込む時間のうちに前提が崩れる場面では、 観察から入るほうが速く動けます。

混同しやすい四つの整理

用語 起点と性格
OODAループ 観察が起点。変化の速い状況で素早く回す
PDCA 計画が起点。定型業務を継続的に改善する
経営計画 数年先の目標と道筋をあらかじめ定めたもの
目標管理制度(MBO) 個人が目標を合意し、達成度で評価する仕組み

どちらが優れているかを競う話ではありません。手順が安定した業務にはPDCA、 前提が動く業務にはOODAループ、と対象の変化の速さで使い分けます。

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