E社は新入社員一人ひとりに、直属の上司ではない経験豊富な先輩社員を担当として つけ、仕事の進め方の悩みから将来のキャリアの相談までを、一年にわたり 継続して受け止める制度を始めた。この制度を表す言葉はどれか。
正解:イ
アOJT
誤り。職場で実際の業務を行いながら、上司や先輩が仕事のやり方を教える 育成です。教えるのは目の前の業務の遂行方法で、担当も通常は同じ職場の 上司や先輩です。相談の範囲がキャリアにまで広がる制度とは狙いが違います。
イメンタリング
正解。経験を積んだ社員がメンターとなり、業務の助言に加えて悩みや キャリアの相談にも継続して応じる関係です。評価する立場の直属の上司を あえて外すことで、話しにくいことも相談できるようにします。
ウOff-JT
誤り。職場を離れ、集合研修や社外セミナーでまとめて学ぶ育成です。 体系立てて知識を身につけられる利点がありますが、担当者が個人に付いて 継続的に相談へ応じる形ではなく、実施も期間を区切って行われます。
エコーチング
誤り。質問を通じて本人に考えさせ、答えを引き出して目標の達成を支援する 手法です。メンタリングと近いのですが、扱う範囲が特定の目標や課題に 絞られ、上司が部下に対して行う場合も多い点が異なります。
「教える」「学ぶ」「引き出す」「支える」
人材育成の手法は名前が似ていて混ざりやすいのですが、 誰が・どこで・何を扱うかで整理すると一度で片づきます。
- OJTとOff-JTは、学ぶ場所による区分。職場の中か外か
- コーチングとメンタリングは、支援のやり方による区分。 引き出すことに徹するか、経験にもとづいて広く支えるか
つまりOJTとメンタリングは対立する概念ではありません。同じ会社で、 OJTで業務を教えつつ、別の先輩がメンターとして相談に乗る形も成り立ちます。
四つの手法の違い
| 手法 | 中身 |
|---|---|
| メンタリング | 経験者が業務からキャリアまで継続的に支える |
| OJT | 職場で実際の業務を通じて仕事のやり方を教える |
| Off-JT | 職場を離れ、研修などでまとめて学ぶ |
| コーチング | 質問で本人の考えを引き出し、目標達成を支援する |
メンター制度が置かれる理由
新入社員が最初につまずくのは業務の手順よりも、聞いていいことの見分けや 職場への馴染みだったりします。評価する立場の上司には言いにくいことを 受け止める相手を用意することで、早期の離職を防ぐ狙いがあります。 定着を促すこうした取り組みをリテンションと呼びます。
問題文に「直属の上司ではない」「キャリアの相談」「継続的」が出てきたら メンタリングを疑ってください。