地域の中核病院で、入院患者向けの案内アプリを企画することになった。 看護部門、事務部門、外部のデザイン会社が関わる体制である。担当する情報システム課の Bさんの行動として、コラボレーションの考え方に最も沿うものはどれか。
正解:イ
ア情報システム課だけで画面と機能の案を固めきってから、看護部門には完成した画面を見せて承認をもらう。
誤り。見てもらう場は設けていますが、案が固まった後では相手の専門性が案に 反映されません。看護の現場でしか分からない事情は、作り直しのきかない段階で 出てきても活かせません。承認をもらうことと協働することは別です。
イ看護部門や事務部門、外部のデザイン会社にも検討の初期から加わってもらい、それぞれの立場から見える懸念を出してもらう。
正解。「様々な専門性をもった人と社内・社外問わずに協働することが重要であることを 理解し、多様性を尊重している」という行動例に対応します。立場ごとに見えるものが 違うからこそ、早い段階で持ち寄る価値があります。
ウ意見が割れると決められなくなるため、参加者を情報システムに詳しい職員に絞り、短い期間で案をまとめる。
誤り。早く決まるという利点はありますが、同じ背景をもつ人だけで決めた案は 現場で使えない部分に気付けません。意見の食い違いは協働の妨げではなく、 多様性から生まれる材料です。それを避けるのは多様性の尊重に反します。
エ外部のデザイン会社には現場で困っている点は伝えず、画面の配色と部品の配置だけを切り出して依頼する。
誤り。行動例は「社内・社外問わずに協働する」です。社外を単なる作業の請負先と 扱い、背景を共有しないのは協働ではありません。課題を知らされない相手からは、 見た目を整える以上の提案は返ってきません。
違う専門の人ほど、早く呼ぶ
料理を出し終えてから「実はアレルギーがあって」と言われても手遅れです。誰が何を 食べられないかは、献立を考える前に聞いておくものです。仕事も同じで、別の専門を もつ人の話は、案が固まる前に聞くほど値打ちがあります。
この項目が求めている行動
シラバスの行動例は1つだけです。
価値創造のためには、様々な専門性をもった人と社内・社外問わずに協働することが 重要であることを理解し、多様性を尊重している。
ここから読み取れる要点は3つあります。
- 専門性が違う人と組む(同じ職種だけで固めない)
- 社内・社外を問わない(外部の会社も協働の相手)
- 多様性を尊重する(意見の食い違いを避けるために人を絞らない)
選択肢の行動を並べると
| 行動 | 何が足りないか |
|---|---|
| 初期から多職種・社外を含めて懸念を出し合う | 不足なし(行動例に合致) |
| 固めた案を見せて承認をもらう | 相手の専門性が案に反映されない |
| 情報システムに詳しい職員だけで決める | 多様性を尊重していない |
| 社外には背景を伝えず作業だけ依頼する | 社外を協働の相手とみなしていない |
「関係者に見せている」「意見をまとめている」という体裁があっても、専門性を活かせる 段階で加わってもらっているかを見ると、協働かどうかが判別できます。