アパレル企業の店舗運営部では、全店舗が毎週金曜に手書きの日報をFAXで本部へ送り、 本部の担当者が転記して集計している。異動してきたDさんの行動として、 常識にとらわれない発想の考え方に最も沿うものはどれか。
正解:エ
ア長く続いている手順には相応の理由があるとみて、まずは1年間そのまま続けて仕事に慣れることを優先する。
誤り。理由があるはずだと考えるところで止まっており、その理由を確かめて いません。行動例は「従来の物事の進め方の理由を自ら問い」と書かれています。 前例をそのまま受け入れる姿勢は、この項目が求めるものと逆向きです。
イ同業他社が使っている日報の仕組みが良さそうなので、同じ製品をそのまま自社にも導入することを提案する。
誤り。新しいものを取り入れようとする点は前向きですが、自社が何のために 集めているのかを問わないまま手段だけを取り替えています。他社の常識に乗り換えた にすぎず、既存の概念にとらわれない発想とはいえません。
ウ記入しにくいという声があるため、項目の並び順と記入欄の大きさを見直した新しい様式の用紙を配る。
誤り。今の枠組みの中での改善にとどまっています。手書きとFAXと転記という 進め方そのものは問い直されていないため、書きやすくはなっても、二重の手間は 残ったままです。より良い進め方を探したことにはなりません。
エそもそも何のために毎週この形で集めているのかを確かめ、その目的から見てより良い集め方がないか考える。
正解。「従来の物事の進め方の理由を自ら問い、より良い進め方がないか考えている」 という行動例そのものです。目的にさかのぼると、様式の改良ではなく集め方自体を 変える案まで検討できるようになります。
「なぜこうしているのか」から始める
長く続いている手順には、始めた当時の事情があります。ところが事情が変わっても手順 だけが残ることは珍しくありません。手書きの日報をFAXで送って本部で打ち直すという 流れも、始めた頃には理にかなっていたはずですが、今も同じ理由が成り立つとは限りません。
この項目が求めている行動
シラバスの行動例は次の2つです。
- 顧客・ユーザーのニーズや課題に対応するためのアイディアを、既存の概念・価値観に とらわれずに考えている
- 従来の物事の進め方の理由を自ら問い、より良い進め方がないか考えている
どちらも出発点は問い直すことです。新しい道具を入れるかどうかは、その後の話に なります。
選択肢の行動を並べると
| 行動 | 何が足りないか |
|---|---|
| 目的を確かめ、そこからより良い集め方を考える | 不足なし(行動例に合致) |
| そのまま1年続けて慣れる | 従来の進め方の理由を自ら問うていない |
| 他社と同じ製品をそのまま導入する | 自社の目的を問わず手段だけ入れ替えている |
| 用紙の様式を作り直す | 既存の枠内の改善で、進め方自体は変わらない |
見分けどころは、その行動が枠の中の工夫か、枠そのものへの問い直しかです。 様式の改良や道具の入替えは前向きに見えますが、目的にさかのぼっていなければ 常識にとらわれない発想とはいえません。