コールセンターでは、問合せの内容を分類してシステムに記録している。忙しいときは 「その他」で登録したり、後でまとめて入力したりすることが多い。この記録から製品の 改善点を見つけられるようにする対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ
ア「その他」が多い分を、経験の長い担当者への聞き取りで見立て、内訳を集計に加える。
誤り。聞き取りで補った内訳は、記録された事実ではなく担当者の記憶と印象です。 数字の形をとる分、勘や経験による判断がデータの見た目をまとって残ります。 行動例が「勘や経験のみ」を退けているのは、まさにこの状態を指します。
イ現在の記録をそのまま毎週グラフにして共有し、件数の多い分類から改善を進める。
誤り。可視化と共有は熱心な取組ですが、元の記録が実態とずれていれば、そこから 読み取る件数の順位もずれます。「その他」に埋もれた問合せは表に出ないため、 改善すべき点ほど見えなくなります。手を付ける順序が逆です。
ウ分類の基準と入力の手順をそろえ、対応した内容をその場で実態どおりに記録する。
正解。行動例「適切なデータを用いることにより、事実やデータに基づく判断が有効に なることを理解し、適切なデータの入力を意識して行っている」に当たります。 判断の質は、集計より前に、入力が実態を写しているかで決まります。
エ入力の手間を減らすため分類の欄を廃止し、応対の内容を自由記述でまとめて残す。
誤り。手間は減りますが、自由記述だけでは件数を数えられず、どの問題がどれだけ 起きているかを比べられません。事実に基づく判断をするには、後から集計できる形で データを残しておく必要があります。
出てくる数字は、入れた人の手を離れない
「データで判断する」というと、集計やグラフの作り方に目が行きがちです。 しかし分析でできることは、入力されたデータが写し取った範囲を超えられません。 本当は操作方法の問合せが多いのに、忙しさから「その他」で登録されていれば、 集計上その問合せは存在しないのと同じになります。
シラバスの行動例が、事実に基づく判断と並べて「適切なデータの入力を意識して行って いる」を挙げているのはこのためです。データを使う側の話だけでなく、 データを作る側の行動まで含めて一つの項目になっています。
入力を実態に近づける手当て
- 分類の基準をそろえる(同じ問合せが人によって違う分類にならないようにする)
- 入力の手順を決める(「その他」を選んでよい場合を限定する)
- 対応の直後に記録する(後でまとめると記憶に頼ることになる)
似て見える対応の違い
| 対応 | 何をしていることになるか |
|---|---|
| 入力をそろえて実態どおり記録する | 判断のもとになる事実の質を上げる |
| 経験者の見立てで内訳を補う | 勘や経験による推測を数字に混ぜる |
| 記録をそのまま可視化する | ずれたデータの見せ方を整えるだけ |
| 自由記述にまとめる | 読めるが数えられない記録にする |
試験では、「勘や経験のみで判断していないか」と「判断に使うデータが実態を写して いるか」の2点が問われます。分析手法の名前を知っているかどうかは問われません。