問題 7★★☆

コールセンターでは、問合せの内容を分類してシステムに記録している。忙しいときは 「その他」で登録したり、後でまとめて入力したりすることが多い。この記録から製品の 改善点を見つけられるようにする対応として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア「その他」が多い分を、経験の長い担当者への聞き取りで見立て、内訳を集計に加える。

    誤り。聞き取りで補った内訳は、記録された事実ではなく担当者の記憶と印象です。 数字の形をとる分、勘や経験による判断がデータの見た目をまとって残ります。 行動例が「勘や経験のみ」を退けているのは、まさにこの状態を指します。

  2. イ現在の記録をそのまま毎週グラフにして共有し、件数の多い分類から改善を進める。

    誤り。可視化と共有は熱心な取組ですが、元の記録が実態とずれていれば、そこから 読み取る件数の順位もずれます。「その他」に埋もれた問合せは表に出ないため、 改善すべき点ほど見えなくなります。手を付ける順序が逆です。

  3. ウ分類の基準と入力の手順をそろえ、対応した内容をその場で実態どおりに記録する。

    正解。行動例「適切なデータを用いることにより、事実やデータに基づく判断が有効に なることを理解し、適切なデータの入力を意識して行っている」に当たります。 判断の質は、集計より前に、入力が実態を写しているかで決まります。

  4. エ入力の手間を減らすため分類の欄を廃止し、応対の内容を自由記述でまとめて残す。

    誤り。手間は減りますが、自由記述だけでは件数を数えられず、どの問題がどれだけ 起きているかを比べられません。事実に基づく判断をするには、後から集計できる形で データを残しておく必要があります。

理解を深めるために

出てくる数字は、入れた人の手を離れない

「データで判断する」というと、集計やグラフの作り方に目が行きがちです。 しかし分析でできることは、入力されたデータが写し取った範囲を超えられません。 本当は操作方法の問合せが多いのに、忙しさから「その他」で登録されていれば、 集計上その問合せは存在しないのと同じになります。

シラバスの行動例が、事実に基づく判断と並べて「適切なデータの入力を意識して行って いる」を挙げているのはこのためです。データを使う側の話だけでなく、 データを作る側の行動まで含めて一つの項目になっています。

入力を実態に近づける手当て

  • 分類の基準をそろえる(同じ問合せが人によって違う分類にならないようにする)
  • 入力の手順を決める(「その他」を選んでよい場合を限定する)
  • 対応の直後に記録する(後でまとめると記憶に頼ることになる)

似て見える対応の違い

対応 何をしていることになるか
入力をそろえて実態どおり記録する 判断のもとになる事実の質を上げる
経験者の見立てで内訳を補う 勘や経験による推測を数字に混ぜる
記録をそのまま可視化する ずれたデータの見せ方を整えるだけ
自由記述にまとめる 読めるが数えられない記録にする

試験では、「勘や経験のみで判断していないか」と「判断に使うデータが実態を写して いるか」の2点が問われます。分析手法の名前を知っているかどうかは問われません。

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