社内ポータルサイトを再構築するプロジェクトで、扱う範囲(スコープ)を決めた後に WBSを作成した。WBSを作成することで得られるものとして、最も適切なものはどれか。
正解:ア
アスコープに含まれる作業が階層的に分解され、見積りや担当の割当てを行う単位が定まる。
正解。WBSは成果物や作業を大きな固まりから細かい作業へ分解した図です。 これ以上は分けないという単位まで落とすことで、作業の抜け漏れに気付け、 一つ一つに工数と担当者を割り当てられるようになります。
イ利用者が求める機能や性能が文書として整理され、作るシステムの中身そのものが定まる。
誤り。これは要件定義で行うことです。WBSが「作るための作業」を分けるのに対し、 要件定義は「作るもの」を決めます。何を作るかが決まって初めて、そのための作業を 分解できるので、順番も逆になります。
ウ誰にどの情報をどの頻度で伝えるかが定まり、関係者への報告や連絡の方法が決まる。
誤り。これはコミュニケーションのマネジメントで決めることです。WBSは伝え方までは 決めません。ただしWBSで作業と担当が見えると、誰に何を報告してもらうかを 決めやすくなる、という前後の関係にあります。
エ作業を担当する要員と、報告や指示をやり取りする経路が定まり、チームの形が決まる。
誤り。これはプロジェクトの体制図が示すものです。WBSは作業を分解した図であって、 人の指揮命令の関係は表しません。まず作業を洗い出し、その作業に人を割り当てた 結果が体制になる、という順序です。
大きな仕事は、数えられる大きさまで割る
「引っ越しをする」と言われても、何日かかるかは見当が付きません。しかし 「不用品の処分」「業者の選定」「荷造り」「住所変更の手続」と分けていけば、 それぞれは半日か一日かの見当が付きます。全部足せば全体が見えます。 WBS(Work Breakdown Structure)がやっているのは、まさにこれです。
スコープを決めてから分解する
- スコープ — このプロジェクトで扱う範囲。何をやり、何をやらないかの線引き
- WBS — そのスコープの中身を、成果物や作業の階層に分解したもの
順番が大事です。範囲が決まっていないものは分解できません。逆に、いったんWBSが できると「ここに書かれていない作業はスコープ外」と扱えるので、後から出てくる 追加の依頼に対して、範囲内か範囲外かを判断する物差しにもなります。
分解した最小の単位には、工数の見積り、担当者、期限を割り当てられます。 スケジュールも見積りも、WBSがあって初めて組み立てられます。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を決めるものか |
|---|---|
| WBS | 範囲の中身を作業に分解し、見積りと担当の単位を作る |
| スコープ | プロジェクトで扱う範囲(やること/やらないこと) |
| 要件定義 | 作るシステムに求める機能や性能 |
| 体制図 | 誰が担当し、誰に報告するかという人の関係 |
試験では「作業の抜け漏れを防ぐ」「見積りの単位にする」と書かれていたらWBSです。 作るものの中身を決める話とは、はっきり分けて覚えてください。