プロジェクトマネジメントプロジェクトマネジメント★★☆

コールセンターの応対記録システムを刷新するプロジェクトで、ステークホルダを 洗い出している。洗い出し方の考え方として、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 開発を委託する取引先は、契約で作業の範囲が決まっているので含めない。

    誤り。委託先は作業の担い手であり、納期や品質を通じてプロジェクトの結果を 左右します。契約があるのは作業範囲が明確だという意味であって、関係者では ないという意味ではありません。社外かどうかでは線を引きません。

  2. 応対記録を分析して商品改善に使う商品企画部門は、画面を操作しないので含めない。

    誤り。記録の項目や出力の形が変われば、その記録を受け取って使う部門の仕事も 変わります。自分で操作するかどうかは判断の基準になりません。出てきたものを 使う側も、結果から影響を受ける以上はステークホルダです。

  3. 稼働後に運用を引き継ぐ情報システム部門は、開発に加わらなくても含める。

    正解。ステークホルダは、プロジェクトの結果から影響を受ける人や組織と、結果に 影響を与える人や組織のすべてです。運用を引き継ぐ部門は稼働後の負担を負うので、 開発作業に加わらなくても早い段階から関わってもらう必要があります。

  4. 直接の関わりがあるかどうかによらず、社内の全部門を一律に含める。

    誤り。広く見るということと、名簿を機械的に全部載せることは違います。影響の 有無で見極めないと、誰にどこまで関与してもらうかの見当が付かず、洗い出した 一覧が使えなくなります。広さと同時に、影響の大きさも見ます。

「誰が困るか」「誰が止められるか」で数える

新しい橋を架ける工事を思い浮かべてください。関係するのは発注した自治体と工事会社 だけではありません。橋を渡る住民、迂回路になる道路沿いの店、完成後に点検を続ける 管理事務所、川の使用を許可する役所も関わります。プロジェクトのステークホルダも 同じで、結果から影響を受ける側と、結果に影響を与える側の両方を数えます。

見落としやすいのはどこか

  • 稼働後に運用や保守を引き継ぐ部門(作るときはいないが、あとをずっと引き受ける)
  • 成果物の出力を受け取って使う他部門(自分では操作しない)
  • 開発や移行を担う委託先、データを受け渡す取引先などの社外の組織
  • 扱う情報や業務によっては、届出や検査を所管する監督官庁

見落としが効いてくるのは終盤です。運用部門を呼ばないまま作ると、引き継ぐ側が 必要とする監視の仕組みや手順書が用意されておらず、稼働の直前で作り直しになります。 早く洗い出すほど、要求を計画に織り込む余地が残ります。

立場ごとの広さの違い

立場 どこまでを指すか
ステークホルダ 影響を受ける/与える人や組織すべて。社内外を問わない
プロジェクトチーム 作業を分担して成果物を作る要員。この一部
利用部門 完成した成果物を日常的に使う部門。これも一部
関わりのない部門 影響を受けも与えもしない。含めない

試験では「開発に参加しない」「社外である」を理由に外す選択肢が誤りになりがちです。 参加しているかではなく、影響を受けるか与えるかで判断してください。

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